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PCパーツ交換の目安(HDD、SSD、ファン、CPU、メモリ等)

PCは耐久消費財ではなく消耗品である、という認識がある程度広まってきました。この界隈の技術革新のスピードは早く、一年どころか半年で型落ちになってしまいます。

どんなに大切に使ってもいつか壊れる時が来るPC。故障する前に手を打つためにも、部品交換で延命するためにもいつが交換の目安なのか知っておきましょう。

HDD

PCパーツで一番最初に壊れるのは、多くの場合HDDでしょう。それ故、PCの寿命はHDDの寿命と言っても過言ではないかもしれません。

HDDは磁性体と呼ばれる円盤が回転し、その磁気を読み取ったり書き換えたりすることで情報を保存しています。この物理的な回転を必要とする動作や磁気の衰弱、そして熱に弱いことが原因で故障が多いパーツと言われているのです。

そういった欠点を補うために複数のHDDをまとめて1台のHDDとみなして使うRAIDという運用方法もありますが、他の部品に比べ壊れやすいという点は変わりません。

HDD交換時期の目安

おおよそHDDの故障が多い時期は、初期不良と購入から2〜3年後と言われています。最近のHDDは寿命も長くなってはいますが、5年を過ぎたら危険でしょう。大事に使えば10年でも持ちますが、精神的にも良くないので2年に1回は交換するかバックアップを取りましょう。

ちなみにPCの寿命も購入から2〜3年と言われますが、これは主にHDDの故障とCPUの熱による影響が原因です。HDD自体の保証期間が2〜3年のため、PCの寿命も2〜3年になっています。

HDD故障の前兆は?

よくいわれるのは「ガリガリ」などの異音がする、というものです。しかし異音がするのは5年以上たったHDDが多く、異音がしてからどのくらいでお亡くなりになるかはその時々です。

一番いいのはCrystalDiskInfoなどのベンチマークソフトを用いて診断することです。また、おおよそ1万時間が目安という人もいます。

HDDは温度、特に起動時の温度変化が寿命に大きく関係します。パソコンに最適な温度である室温20度台を保ち、HDD自体の温度が45度を超えないように気をつけましょう。

SSD

登場当初、まだ安定していない技術だったSSDは故障しやすいという評判がありました。確かに初期のSSDは書き込み回数の制限が厳しく、初期不良も多かったです。

しかしその後技術革新が進むにつれ書き込み回数の上限をうまく伸ばすことに成功し、今では一般的な用途であれば気にならない程度の回数になりました。

SSDはHDDと違って物理的な可動部がほぼないので、故障しにくいと言われています。とはいえ異常電流や素子がデータ保持できなくなるなどの電気的な故障もありえます。HDDに比べれば故障率は低いですが、SSDもいずれ故障するのです。

SSD交換時期の目安

SSDが故障しやすい時期は、初期不良と書き込みの回数でほぼ決まります。HDDよりも平均故障率は低いですが、初期不良率は何倍も高いです。

そして、SSDはその仕組み上、書き換え可能回数というものが設けられています。というのも、SSDはシリコンなどで出来た素子に電気的に情報を保存しているため、書き込み、つまり上書きのたびに少しづつ素子が劣化していくのです。

また、これはあくまで書き換えが可能な回数であり、この回数まではある程度の長期間書き換え後のデータを保持できるという保証ではないということに注意してください。

とはいえ最近のSSDは書き込みの平準化など様々な技術を使っているので、毎日使ってもこの回数に達するまでには5年以上かかるでしょう。

SSD故障の前兆は?

寿命が一見長く見えるSSDですが、実は厄介な特性もあります。それは、故障の前兆がないということです。SSDはなんの前触れもなくいきなりお亡くなりになるので、バックアップが非常に重要です。

一応読み書きの際にエラーが発生しやすくなったり、ファイルが壊れたりといった前兆が見えることもありえますが、大抵の場合そこまで症状が進行していたらすぐに死にます。

早くて衝撃に強く、寿命も長いSSD。いいところばかりと思って安心しているといきなりお亡くなりになってデータがパアになります。ノートPCでもSSDを採用することが増えましたが、常にバックアップを用意しておくことが非常に重要です。定期的なバックアップこそが一番の故障対策です。

ファン

ファンにはいくつか種類があるそうですが、圧倒的に多く使われているのは「流体軸受け」というタイプです。このタイプのファンは文字通り、グリスという油のような流体をつかって軸と軸受けの摩擦を減らして回転しやすくしているものです。

ファンは意外と精密で、組み立てや交換の時に少し乱暴に扱っただけで軸がずれ、異音がしたりエラーが出たりします。また、安定した環境でもグリスが固まったり劣化したりすると故障します。

ファン交換時期の目安

ファンの寿命は使用される環境によって大きく異なるため保証寿命規定がなく、この環境ならこのぐらいは動いてくれると思うよ、という期待寿命で表されています。多くのファンは羽やカバーが樹脂なら2万時間、金属なら2.5万時間程度のようです。

しかし、よほど乱暴に扱わなければ10年程度は持ちます。そしてそのころには性能的にも価格的にも有利な新商品が山のように販売されていることでしょう。最近は寿命が18年と謳っている商品もあるようです。

ファン故障の前兆は?

前述の通り、交換などの際に乱暴に扱わない限り物理的な回転部がある割には長く活躍してくれるファンですが、異音がしたり回転数が少なくなったり音がうるさくなったりしたら故障の前兆です。

特に軸がずれるとキーンという甲高い音やガリガリという音が聞こてきて不快ですし、グリスが劣化して回転数が落ち、熱を適切に排出できないとPC全体にダメージがあります。ある日突然ファンエラーが出てPCが起動しなくなるということもありますので、気をつけましょう。

また、埃が詰まって回転できなくなったり熱がこもったりということもありますので、フィルターは時々掃除するようにしましょう。

メモリやCPU、マザーボードは壊れるのか

論理的にはいつか故障するのは当たり前ですが、特に最近のメモリやCPUといったパーツはある程度の長期間動き続けることがわかっています。

メモリに使われているDRAMは書き込み寿命がおよそ10の15乗〜10の16乗回とのことですし、CPUも公式保証は3年なものの、きちんと排熱してグリスを交換し、湿度管理もしてあげれば10年程度は動き続けることができます。

これらのパーツは物理的な可動部がほぼないため、電気的な故障を起こさなければ故障には強いのです。一部マザーボードのコンデンサが液漏れしたりといったことはありますが、それは適切に使っていれば購入から10年以上先のことでしょう。

電源は?

PCに使われる電源には、コンデンサという素子が使われています。これが膨張したり錆びたりといったことが原因で故障したり、電源に内蔵されているファンが故障したりといったことがあるので、おおよそ5年程度が目安です。

しかしこちらも適切に温度と湿度を管理してあげれば10年以上持ちますし、そのころには性能的にも価格的にも有利な新商品が山のように販売されていることでしょう。

それでも故障することはある

これらの部品は物理的な可動部が少なく、比較的壊れにくいものが多いです。とはいえ埃や素手で触った時の静電気、熱や寒さ、湿気といった原因が元で壊れることもあります。

コンデンサが膨張している程度なら交換することも可能ですが、CPUが熱でダメになったり埃から静電気が起きてメモリの不良が起きたりといったことになると、その部品だけでなくPC全体がダメージを受けることもあるので注意しましょう。

USBメモリもSDカードも仕組みは同じ

「USBメモリ」や「USB」と呼ばれている「USBフラッシュメモリ」や「SDカード」と呼ばれるデータ保存機器があります。誰もが一度は見たことがある、小型のアレです。

これらはフラッシュメモリと呼ばれる機器で、フラッシュROMと呼ばれる半導体素子に電気的な負荷をかけその状態を保存しています。データの入出力に使うインターフェースの規格や形状が異なるだけで、データを保存する部分の中身は同じ仕組みで動いています。

USBメモリ交換時期の目安

USBメモリとSDカードが故障しやすい時期は、書き込みの回数でほぼ決まります。なぜなら、SSDと同じようなその仕組みを使っているため書き換え可能回数というものが設けられているからです。

これらのフラッシュメモリと呼ばれるデータ保存機器はシリコンなどで出来た素子に電気的に情報を保存しているため、書き込み、つまり上書きのたびに少しづつ素子が劣化していくのです。

また、これはあくまで書き換えが可能な回数であり、この回数まではある程度の長期間書き換え後のデータを保持できるという保証ではないということに注意してください。

さらに、フラッシュメモリに長期間データを保存しておくと、いつの間にか消えていることがあります。これは特性上仕方のないことで、満タンだったバッテリが長期間放置されていると放電していくように、長期間データの書き換えがないと少しずつ失わてしまうのです。

USBメモリ故障の前兆は?

SSDと同じように素子を使って電気的に情報を保存しているフラッシュメモリには、厄介な特性があります。それは、故障の前兆がないということです。SSDやフラッシュメモリはなんの前触れもなくいきなりお亡くなりになるので、バックアップが非常に重要です。

SSDほど突然ではなく、一応読み書きの際にエラーが発生しやすくなったり、ファイルが一部壊れたりといった前兆が見えることもありますが、大抵の場合そこまで症状が進行していたらすぐにまだ生きているデータを救出しないと、全てのデータが失われます。

安くて手軽で軽量・小型というすばらしい特性を備え、様々なところで使われているUSBメモリやSDカード。いいところばかりと思って安心しているといきなりお亡くなりになってデータがパアになります。

大切なデータが長年使っているUSBにしかない、という危ない運用をしている場合はすぐにやめましょう。どんなメディアも常にバックアップを用意しておくことが非常に重要です。定期的なバックアップこそが一番の故障対策です。

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