年々SSDが手に入りやすくなり、その速度・耐久性・信頼性も上がってきています。そんなSSDの価格差は、容量だけでなくその記録方式によっても左右されます。というのも、現在のSSDに使われるセルには主に4つの記録方式があり、それぞれに特徴とコストが違うからです。
SSDにデータを保存する仕組み
SSDのデータを保持する部分には「NANDフラッシュ」というパーツが使われています。NANDフラッシュは「セル」という単位で区切られており、ひとつのセルごとに電荷を保持しています。このセルに電圧をかけることでセルの電荷を読み取り、0か1かというビット情報に対応させています。
各記録方式の特徴
SLC
セルに「電荷がある/ない」ということを1ビット(0か1)に対応させています。つまり、そのセルに電荷があるかないかだけわかれば良いので読み書きが早く、エラーも出にくいです。しかしその分、大容量のデータを保存するには大量のセルが必要になり、高価になります。
MLC
ひとつのセルに1ビットではなく、2ビット保存する方式です。つまり、そのセルに電荷がどのくらいあるか4段階(2つのON/OFFペア)で区別します。SLCよりは読み書きに精度が必要になり遅くなりますが、同じセル数ならSLCより容量を多く確保できます。現在主流になっている方式です。
TLC
ひとつのセルに3ビット保存します。つまり、ひとつのセル内の電荷を8段階(3つのON/OFFペア)で区別していることになります。MLCより更に読み書きが遅くなりますが、ひとつのセルに保存できる容量を増やすことが出来ます。
著しい耐久性と速度が必要となる企業向けの製品よりも、一般的な用途で使われる安価な製品によく使われます。現在入手できるSSDの多くはMLCかTLCで、TLCの方が価格が安いです。
QLC
技術の進歩によって可能になった、ひとつのセルに4ビットの情報を保存するものです。2018年に製品化される予定だという噂が出てきました。ひとつのセルで16段階もの区別をしなければならないためTLCよりも速度と耐久性に劣りますが、容量あたりの単価はかなり安くなると予想されます。
まとめ
一口にSSDといってもそのインターフェースやNANDフラッシュへのデータ記録方式によって様々な種類があります。ゲーミングPCなどを含め、個人で利用するSSDはMLCやTLCが価格と信頼性から言って妥当でしょうが、今後はQLCの安い製品も出てきます。自分に最適なストレージがどれか、じっくり考えて選んでみてください。
記録方式ではなく接続方式による違いは「SATAとPCIe、SSDの接続方式の違い」の記事を参考にしてください。