最近のグラフィックボードは箱のような見た目をしており、中がどうなっているかあまり見えないようになっています。グラフィックボードの構造について解説したいと思います。
グラフィックボードの構成部品
昔のグラフィックボードは今ほど箱状にパッケージングされていませんでした。基盤の上にチップやコンデンサが配置されている様子がわかり、GPUチップの上にのみファンが取り付けられているといったようなものがほとんどでした。
最近のグラフィックボードは、より効率的に冷却するために基板上をすべて覆うようにパッケージングされているものがほとんどです。
グラフィックボードの基盤の上には以下のようなパーツで構成されています。
- グラフィックボード基板
- GPUチップ
- ビデオメモリ
- 冷却装置
- 電源端子
- 出力端子
おおまかに分けるとこのようなパーツで構成されています。ベースとなるグラフィックボードの基盤の上に、GPUチップがありその周りを取り囲むようにビデオメモリが配置されています。そしてそれらを冷却するためのヒートシンクやパイプ、ファンがあります。
グラフィックボードは基本的にはPCI-Expressバスから電力を供給していますが、上位の消費電力の大きいグラフィックボードは補助電源が必要となるものもあります。その場合は補助電源用のプラグを接続するためのコネクタがグラフィックボードにあります。
そしてグラフィックボードから映像を出力するためのDVIやHDMI、DisplayPortなどの出力端子が並びます。
最近ではグラフィックボードの大型化が進んでおり、PCI-Expressポートを2つ占有するものが増えています。
グラフィックボードの心臓であるGPU
グラフィックボードでもっとも重要なのが、演算処理をすべてつかさどるGPUチップです。グラフィックボードの性能はすべてこのGPUチップによって決まります。
グラフィックボードはいろいろなメーカーから出ているように感じるかもしれませんが、肝心の処理をしているGPUチップはすべてNVIDIAが作っています。メーカーはNVIDIAからこのGPUチップの提供を受けてグラフィックボードを作っているのです。
大量の熱を処理するための巨大な冷却装置
グラフィックボードの基盤の上のほとんどを占めるのが冷却装置です。
GPUチップはNVIDIAから提供を受けていますが、GPUチップをオーバークロックしてどれだけパフォーマンスを発揮させるかはメーカーによってまちまちです。もちろんオーバークロックをせずNVIDIAの基本仕様通りに作っているものもあります。そういったものはリファレンスモデルと呼ばれます。
最近のグラフィックボードの消費電力は100Wをゆうに超えるようになってます。電力を使うということはそれだけ熱も同時に発生します。特にGPUチップとその周りのビデオメモリからは大量の熱が発生します。この熱をいかにうまく処理するかが、グラフィックボードメーカーの特徴の差でもあります。
グラフィックボードはGPUチップとその冷却装置によってほとんど性能が決定づけられるといってよいでしょう。