インテルの第7世代アーキテクチャKaby Lakeは2016年の夏、第8世代アーキテクチャCoffee Lakeは2017年の秋に発売されました。ゲーマーはこれらのCPUのアップグレードをしてどれくらいのパフォーマンスアップを図れるのかをチェックしたいと思います。
2つのCPUにある大きな違いはコア数の増加
Coffee Lakeが発表されたときに一番に驚かされたことといえばコア数の増加です。これまでハイエンド用(エンスージアスト向けともいう)では6コアや8コアといったコアの増加がされてきましたが、Coffee Lakeではメインストリーム向けのプロセッサーでもコア数の増加しました。
Core i3はこれまで2コア2スレッドだったものがCoffee Lakeで4コア4スレッドに、Core i5では4コア4スレッドだったものが4コア8スレッドに、Core i7では6コア12スレッドへグレードアップしています。
これらのコア数が増えたことと、最大クロック数が上がったことで、Coffee LakeはKaby Lakeに比べて40%のパフォーマンスアップと言われています。
増えたスレッドを活かせるゲームには有用
では実際にKaby LakeとCoffee Lakeの間には、ゲーマーにとってどれくらいの差があるのでしょうか。
3DMark : Fire Strike
- Core i7-8700K : 18912(+10%)
- Core i7-7700K : 17093
CINEBENCH R15
- Core i7-8700K : 1418(+40%)
- Core i7-7700K : 1008
ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
- Core i7-8700K : 16880(-2%)
- Core i7-7700K : 17202
3DMarkではクロック数の差が結果に表れた感じがあります。CINEBENCHではマルチスレッド性能が結果に表れるため、大きく引き離す結果となりました。最後にファイナルファンタジーXIVベンチマークでは結果及ばずでした。これはファイナルファンタジーXIVがKaby Lake世代のCPUに最適化を行っているためと考えられます。今後のアップデートでCoffee Lakeに対して最適化が行われればスコアは性能どおりに逆転するかもしれませんね。
パフォーマンスは高いが、インパクトに欠ける
確かにベンチマークの差に表れる通り、スペックアップにはなりますが、度肝を抜かれるほどのインパクトに欠けるというのが正直な感想です。これらのCPUの間には、ソケット規格の互換性の問題もあります。同じLGA1151でありながら、Z370チップセットでなければCoffee Lakeは動作しません。従来のZ270チップセットのままCPUのみをアップグレードできないため、Coffee Lakeに移行するにはマザーボードごとのアップグレードをしなければなりません。これはお財布に非常に大きな負担となってしまいます。
しかし新しくパソコンを購入する場合や、もっと古いCPUを使っている場合にはCoffee Lakeは素晴らしいCPUです。コアとスレッド数が増えたことによりゲームだけでなく、一般のアプリケーションのパフォーマンスも大きく向上します。さらにこれまでエントリーモデルだったCore i3でも4コアになったことにより、価格を抑えたまま4コア4スレッド環境を手に入れることができます。ゲームやアプリケーションだけでなく、Androidエミュレータなどの仮想環境を動かす際にも、コア数の増加は大きなメリットです。
どちらにせよCoffee Lakeはゲーマーにとっても、間違いなく優秀なCPUです。もしCPUのアップグレードを検討しているのであれば、Core i3、i5、i7問わずCoffee Lakeは第一候補に加えるべきでしょう。