ゲーミングPCのCPUとGPUは、単に性能や価格で選べばよいというわけではありません。この2つはバランスが重要で、特にCPUは「GPUの足を引っ張らない(=ボトルネックにならない)」ことが大切です。
そこで、2019年注目のGPUであるRTX2060を使うとき、どの程度のCPUならばボトルネックにならないのかを解説します。
RTX2060のボトルネックにならないCPU候補
早速ですが、RTX2060のボトルネックにならないCPUの候補を挙げてみましょう。バランスや価格を考えると、2019年前半では以下4モデルが現実的です。
Core i5 9600K | 6コア6スレッド | 3.7~4.6GHz動作 |
Core i7 8700 | 6コア12スレッド | 3.2~4.6GHz動作 |
Core i5 8500 | 6コア6スレッド | 3~4.1GHz動作 |
Ryzen 5 2600 | 6コア12スレッド | 3.4~3.9GHz動作 |
この4モデルは物理6コアで動作クロックが3GHz以上であり、ミドルレンジ~ハイエンドの入り口に位置するCPUです。RTX2060は前世代のGTX1070~GTX1070Ti相当のGPUですから、これら4モデルであればまずボトルネックになることはないでしょう。
ただし、これよりも一段下のモデル、すなわち「Core i3 8100」付近になってくると、場合によってはCPUパワーがボトルネックになる可能性があります。
ちなみにCore i3 8100のスペックは以下のとおりです。
・Core i3 8100…4コア4スレッド、3.6GHz動作
動作クロック数は十分ですが、やはり4コアという点が弱いですね。RTX2060に搭載されているリアルタイム・レイ・トレーシングは、分散処理が強みです。つまり、一定以上の物理コア数が確保されている前提で搭載されている機能ですから、4コアではやや不安が残るわけです。
RTX2060なら物理6コア以上は確保したい
正直なところ、レイ・トレーシングを考慮しなければ、4コアCPUでも十分かもしれません。しかし、RTXシリーズの売りであるレイ・トレーシングは、これまでの描画処理の常識を覆す画期的な機能です。
加えて、ミドルレンジクラスのRTX2060は低価格ながら高性能、2019年以降も十分に戦えるGPUといってよいでしょう。PUBGやLOLといった比較的軽量なメジャータイトルのみならず、重量級の3Dゲームにも対応可能な万能GPUになる可能性を秘めています。
そのため、まずはRTX2060を中心にCPUを選定し、そこから全体のバランスを整えていく方法が、納得のいくゲーミングPC選びといえそうです。
もちろん、RTX2070や2080といったGPUも良いでしょう。しかし、大半のゲームにとってこれらはオーバースペックになることが多く、価格も決して安くありません。
RTX2060採用モデル「ガレリア XV」
RTX2060を搭載し、バランスに優れたモデルは、すでに大手BTOショップから登場しています。例えばドスパラの「ガレリア XV」ですね。CPUがCore i7 8700、GPUがRTX2060という組み合わせで、ストレージはSSD500GBにアップグレード可能です。
価格も15万円弱と手頃で、性能の割には決して高くない買い物だと思います。CPUのボトルネック化が心配ならば、こういったBTOショップのモデルを検討するのもひとつですね。