RTXシリーズに続き、レイ・トレーシングが省略された「新GTXシリーズ」が登場するようです。この新GTXシリーズの具体的なスペックと価格が明らかになってきました。注目度が高いミドルレンジの新GPUだけに、PCゲーマーは要チェックのパーツになりそうです。
では一体、どのようなスペックと価格なのかを具体的に紹介します。
新GTXシリーズ「GTX1660Ti、1660、1650」
RTXシリーズは、それまでのGTXシリーズにレイ・トレーシング専用のコアを搭載しています。これに対し、新GTXシリーズはレイ・トレーシング専用コア(RTコア)や機械学習対応のTensorコアを排除し、従来のGTXシリーズを純粋にパワーアップさせている点が特徴です。
では早速、2019年春までに発売される新GTXシリーズのスペックを見ていきましょう。
GTX1660Ti
アーキテクチャ | Turing |
プロセスルール(製造プロセス) | 12nm FFN |
コア | TU116-400 |
CUDAコア数 | 1536基 |
動作クロック数 | 1500~1770MHz |
搭載メモリ | GDDR6 6GB |
予想価格 | 約280ドル(日本円で約31000円) |
発売日 | 2019年2月15日 |
GTX1660
アーキテクチャ | Turing |
プロセスルール(製造プロセス) | 12nm FFN |
コア | TU116-300 |
CUDAコア数 | 1280基 |
動作クロック数 | 1530~1785MHz |
搭載メモリ | GDDR5 6GB、GDDR5 3GB |
予想価格 | 約230ドル(日本円で約26000円) |
発売日 | 2019年3月下旬予定 |
GTX1650
アーキテクチャ | Turing |
プロセスルール(製造プロセス) | 12nm FFN |
コア | TU117 |
CUDAコア数 | 896基 |
動作クロック数 | 1485~1665MHz |
搭載メモリ | GDDR5 4GB |
予想価格 | 約180ドル(日本円で約20000円) |
発売日 | 2019年3月下旬~4月予定 |
旧GTXシリーズの「GTX1050、1060、1070相当」とみるのが適当かもしれませんね。ただ、スペックから見るとGTX1660Tiが特に有望な気がします。
新GTXシリーズでゲーミングPCはどう変わるか?
これら3つは、GPUで最も競争が激しいミドルレンジクラスに属します。つまり、「よく売れる」ゾーンであり、GPUメーカーの主力商品です。通常、GPUはハイエンドモデルからリリースするものですが、新GTXシリーズはミドルレンジが先行する形になっており、nvidiaの意気込みが感じられますね。
RTXシリーズはレイ・トレーシングと機械学習機能の搭載で、これまでのGPUとは一線を画す性能を持ちました。
その一方で「今まで通りの進化」を望むユーザーも少なかったのではないでしょうか。今後はRTX搭載機と新GTX搭載機で、徐々に棲み分けが進むのかもしれません。
大手BTOショップでも、RTX搭載モデルとは別に、新GTXモデルを出してくるはずです。高度な描画を好む「レイトレ&機械学習派」とシンプルでスムーズな動作を好む「通常のGPU派」で、選ぶモデルが変わってくるでしょう。
個人的には、GTX1660Tiあたりで様子をみながら、必要であればRTXの上位モデルに移行するという流れもありかなと思います。AMDも新GPUの「RADEON Ⅶ」を出してきますし、選択肢が増えるのは有難いことですよね。
RTXをメイン、GTXをサブという選択肢も
今後数年でRTXシリーズが主流になれば、メインマシンはRTX、サブマシンはGTX(レイトレ、機械学習コア省略版GPU)という流れもあり得ます。
nvidiaに続き、ライバルのAMDもレイトレや機械学習コア搭載のGPUを開発していることから、両社の新製品に注目したいですね。