IntelのCoreシリーズのハイエンドCPU Core i7-8700Kと、AMDのRyzenシリーズのハイエンドCPU Ryzen 7 1700X、この素晴らしいパフォーマンスを持つ二つのCPUを比べてみたいと思います。
Intel Core i7-8700KとAMD Ryzen 7 1700Xのスペック
Intel Core i7-8700K
- プロセッサー名 : Intel Core i7 8700K
- コードネーム : Coffee Lake
- プロセスルール : 14nm
- コア数 : 6コア
- スレッド数 : 12スレッド
- ベースクロック : 3.70GHz
- ターボブーストクロック : 4.70GHz
- L1キャッシュ合計 : 384KB
- L2キャッシュ : 1536KB
- L3キャッシュ : 12MB
- 最大TDP : 95W
- 参考価格 : 44,000円
AMD Ryzen 7 1700X
- プロセッサー名 : AMD Ryzen 7 1700X
- コードネーム : Summit Ridge
- プロセスルール : 14nm
- コア数 : 8コア
- スレッド数 : 16スレッド
- ベースクロック : 3.40GHz
- ターボブーストクロック : 3.80GHz
- L1キャッシュ合計 : 768KB
- L2キャッシュ : 4MB
- L3キャッシュ : 16MB
- 最大TDP : 95W
- 参考価格 : 39,000円
コア数少ないぶん1コアあたりのクロック数が高いCore i7-8700Kと、クロック数が低いぶんコア数が多いRyzen 7 1700Xというのが二つの特徴です。クロック数の差とコア数スレッド数の差がどれだけパフォーマンスに影響するのかがポイントになります。単純に処理速度が必要になるゲームなどは、コア数よりもクロック数の高いCPUのほうが得意としています。エンコード処理やデータの圧縮処理はクロック数よりも、並列分散処理のためコア数が多いCPUのほうが得意としています。
Intel Core i7-8700KとAMD Ryzen 7 1700Xの比較
ではCPU以外の構成を合わせた環境でふたつのCPUを比較してみましょう。
比較環境スペック
- CPU : Intel Core i7-8700K / AMD Ryzen 7 1700X
- M/B : ASRock Z370 Extreme4 / ASUS Crosshair VI Hero
- グラフィックカード : GIGABYTE GeForce GTX 1080 Ti Gaming OC Black
- メモリ : G.Skill Flare X 16GB DDR4-3200
- SSD : Samsung SSD 840 EVO 120GB
- HDD : Western Digital Caviar Blue 500GB
- OS : Windows 10 Professional 64bit
CineBENCH R15 マルチコアレンダリング
- Core i7-8700K : 1434
- Ryzen 7 1700X : 1565
CineBENCH R15 シングルコアレンダリング
- Core i7-8700K : 204
- Ryzen 7 1700X : 154
Battlefield 1 2560×1440 Ultra設定
- Core i7-8700K : 平均123fps
- Ryzen 7 1700X : 平均118fps
CRYSIS 3 2560×1440 Very High設定
- Core i7-8700K : 平均111fps
- Ryzen 7 1700X : 平均100fps
Far Cry Primal 2560×1440 Ultra設定
- Core i7-8700K : 平均103fps
- Ryzen 7 1700X : 平均89fps
Grand Theft Auto V 2560×1440 Ultra設定
- Core i7-8700K : 平均146fps
- Ryzen 7 1700X : 平均104fps
Rise of the Tomb Raider 2560×1440 Very High設定
- Core i7-8700K : 平均121fps
- Ryzen 7 1700X : 平均120fps
The Elder Scrolls V : Skyrim Special Edition 2560×1440 Ultra設定
- Core i7-8700K : 平均157fps
- Ryzen 7 1700X : 平均149fps
The Witcher 3 2560×1440 Ultra設定
- Core i7-8700K : 平均107fps
- Ryzen 7 1700X : 平均102fps
ゲームならIntel Core i7-8700Kが強い
CPUの性能を測るCineBENCHでは両CPUの得手不得手がはっきりとわかる結果になりました。コア数の多いRyzen 7 1700Xがマルチコアレンダリングで勝り、コアクロック数が高いCore i7-8700Kがシングルコアレンダリングで勝っています。実際にレンダリングを行う際はマルチコアで処理されることがほとんどですので、動画編集や映像処理を主な用途とする場合にはRyzen 7 1700Xのほうが有利でしょう。
ゲームでの平均fpsはすべてのタイトルにおいてCore i7-8700Kが勝る結果となりました。差は小さいものでRise of the Tomb Raiderの1fps差、大きいものですとGrand Theft Auto Vの42fps差となっています。ゲーマーにとって最高のCPUはやはりIntelのCore i7-8700Kということがわかります。
実勢価格ではCore i7-8700Kが44,000円前後、Ryzen 7 1700Xが39,000円前後とRyzenのほうが5,000円ほど安くなっています。それぞれに対応するマザーボードは今回の比較で使用されているASRock Z370 Extreme4で23,000円前後、ASUS Crosshair VI Heroで27,000円前後です。