ハイエンドCPUも良いですが、普段使いのパソコンにはCoreシリーズやRyzenシリーズのローエンドCPUでも十分実用に耐えます。Core i3-8100とRyzen 3 1200、この2つの低価格帯の二つのCPUを比べてみたいと思います。
Intel Core i3-8100とAMD Ryzen 3 1200のスペック
Intel Core i3-8100
- プロセッサー名 : Intel Core i3 8100
- コードネーム : Coffee Lake
- プロセスルール : 14nm
- コア数 : 4コア
- スレッド数 : 4スレッド
- ベースクロック : 3.60GHz
- L1キャッシュ合計 : 256KB
- L2キャッシュ : 1MB
- L3キャッシュ : 6MB
- 最大TDP : 65W
- 参考価格 : 14,500円
AMD Ryzen 3 1200
- プロセッサー名 : AMD Ryzen 3 1200
- コードネーム : Summit Ridge
- プロセスルール : 14nm
- コア数 : 4コア
- スレッド数 : 4スレッド
- ベースクロック : 3.1GHz
- 最大ターボクロック : 3.4GHz
- L1キャッシュ合計 : 384KB
- L2キャッシュ : 2MB
- L3キャッシュ : 8MB
- 最大TDP : 65W
- 参考価格 : 13,000円
この2つのプロセッサーは非常に性能が似通っています。どちらも4コア4スレッドを持っています。パッと見の違いがあるとすればベースクロックとキャッシュ量です。i3 8100は3.6GHzでRyzen 3 1200はターボ時で3.4GHzです。
ここには表記していない違いで、かつ大きな違いがあります。それはオーバークロックの可否です。Core i3 8100は定格クロックのためオーバークロックができませんが、Ryzen 3 1200はオーバークロックが可能です。動作クロック数をオーバークロックによって引き上げることで、どれくらい性能がアップするのかも含めて次の項で違いをチェックしてみましょう。
Intel Core i3-8100とAMD Ryzen 3 1200の比較
ではCPU以外の構成を合わせた環境でふたつのCPUを比較してみましょう。Ryzen 3 1200は動作クロックを4.0GHzにオーバークロックしたものも併せて比較します。
比較環境スペック
- CPU : Intel Core i3-8100 / AMD Ryzen 3 1200
- M/B : ASRock Z370 Extreme4 / ASUS Prime X370-Pro
- グラフィックカード : GIGABYTE GeForce GTX 1070 G1 Gaming
- メモリ : G.Skill Flare X 16GB DDR4-3200
- SSD : Samsung SSD 840 EVO 120GB
- HDD : Western Digital Caviar Blue 500GB
- OS : Windows 10 Professional 64bit
3DMark Fire Strike – Physics Score
- Core i3-8100 : 8071
- Ryzen 3 1200 : 7105
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 9098
CineBENCH R15 マルチコアレンダリング
- Core i3-8100 : 610
- Ryzen 3 1200 : 488
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 618
CineBENCH R15 シングルコアレンダリング
- Core i3-8100 : 157
- Ryzen 3 1200 : 134
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 160
Battlefield 1 1280×720 Low設定
- Core i3-8100 : 平均197fps
- Ryzen 3 1200 : 平均148fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均169fps
Battlefield 1 1920×1080 Ultra設定
- Core i3-8100 : 平均110fps
- Ryzen 3 1200 : 平均96fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均97fps
Crysis 3 1280×720 Low設定
- Core i3-8100 : 平均120fps
- Ryzen 3 1200 : 平均83fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均100fps
Crysis 3 1920×1080 Very High設定
- Core i3-8100 : 平均65fps
- Ryzen 3 1200 : 平均42fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均55fps
Far Cry Primal 1280×720 Low設定
- Core i3-8100 : 平均152fps
- Ryzen 3 1200 : 平均117fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均136fps
Far Cry Primal 1920×1080 Ultra設定
- Core i3-8100 : 平均95fps
- Ryzen 3 1200 : 平均87fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均91fps
Grand Theft Auto V 1280×720 Low設定
- Core i3-8100 : 平均128fps
- Ryzen 3 1200 : 平均92fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均107fps
Grand Theft Auto V 1920×1080 Ultra設定
- Core i3-8100 : 平均109fps
- Ryzen 3 1200 : 平均79fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均92fps
Rise of the Tomb Raider 1280×720 Low設定
- Core i3-8100 : 平均207fps
- Ryzen 3 1200 : 平均153fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均179fps
Rise of the Tomb Raider 1920×1080 Ultra設定
- Core i3-8100 : 平均111fps
- Ryzen 3 1200 : 平均93fps
- Ryzen 3 1200(4GHz) : 平均107fps
単純にクロック数の値だけの問題ではない
1280×720のLow設定ではいずれも60fps以上の平均fpsをたたき出しています。1920×1080のUltra設定では60fpsを下回るタイトルも多くありました。
CineBENCHでは両CPUともコア数が同じなため、単純にクロック数の高さの順番どおりの結果となっています。3DMarkでの物理演算計算も同様です。
しかし実際のゲームでのfpsはCoreプロセッサーが有利であるという結果になりました。オーバークロックによって4.0GHzまでクロック数を引き上げたRyzen 3 1200でも3.6GHzで駆動するCore i3 8100には平均fps値で及んでいません。どちらも価格もそれほど差がありませんので、ゲーミング向けCPUという点ではやはりCore i3 8100を選択したほうが良いでしょう。