これまで、AMDのグラフィックボードはVRAMが多く、性能の割に価格が安いという傾向がありました。ただし、AMDはゲーム側の最適化やドライバーの対応がNVIDIAよりも劣っている場合が多いので、実ゲーム上では性能は劣るとという評価がありました。
しかし玄人の中には、敢えてAMDを選ぶこ人も多く存在しました。例えば、AMDのRX480というグラフィックボードは、NVIDIAのGTX1060に匹敵する性能です。NVIDIAのGTX1060が実売3万円に対し、このAMD RX480はセールで2万円まで下がったことがあったんです。しかし、今はそのお得さが失われてしまいました。
価格高騰の理由はマイニング
今、ビットコインという仮想通貨が投資対象として流行っています。この仮想通貨は、マイニングと言われる方法で手に入れることができます。
仮想通貨の計算処理を手伝ったお礼に仮想通貨をもらうことをマイニングといいます。もちろん、計算処理を行うのは自分ではなく、自分の所有するPCです。
そして、このマイニングに向いているのがAMDのグラフィックボードなのです。マイニングをする人がこのグラフィックボードを買いあさった結果、現在価格が高騰しているのです。
日本だとAMDは割高
AMDもNVIDIAも、本社はどちらもアメリカにあります。そのため、希望小売価格はアメリカで設定されます。日本に出荷されるときは、代理店などの中間業者を挟むのが通例となっています。
AMDの場合、NVIDIAよりもシェアが大きくないため、代理店側も売れ残りなどのリスクを負いやすいという側面があります。そこでAMDの方がアメリカの希望小売価格よりも大幅に上乗せされるという伝統がありました。
アメリカでは、「AMDは実効性能はNVIDIAに負けるが、コスパで勝るグラフィックボード」という認識があります。しかし、日本だと成り立たない場合も多くあるのは上記が理由です。それでもセールで安くなることもあったのですが、今はマイニングブームにより価格が下がらなくなったというのが現状です。
価格が下がればアリ
ただ、マイニングブームもいつまで続くかはわかりません。通貨によっては個人のマイニングはほとんどもうからないとまで言われているからです。
価格が下がれば、選択の1つとしてAMDを考えるべきと言えます。新しいグラフィックボードを検討する場合は、都度価格をチェックしてみることをオススメします。
vegaには夢がある
vegaは、新しくAMDから発表されたGPUシリーズで、今までとは大幅に設計が違います。現状ではまだ実効性能はGTX1070以下という結果ではありますが、理論性能としては同額のGTX1080を大きく超えるポテンシャルがあると言われています。OSやゲーム側が今後対応すれば、安くて高性能なハードに化ける可能性が十分にあります。
Vegaは、今後の動向に注目のシリーズです。