2019年3月12日、最高裁判所が「ワンセグ機能付き携帯電話保有者に対して、NHKと受信契約を結ぶ義務がある」との判決を下しました。
一部には衝撃を与えたこの判決、ご存じの方も多いかと思います。NHKは今後、PCやモバイルデバイスに対しても受信契約を拡大していくとの見方があるとのこと。
そこで気になるのが、ゲーミングPC保有者に対する契約です。
ゲーミングPC保有者はNHK受信契約の対象になる?
まずNHSの受信契約は「TV視聴が可能な設備」を持っているかどうか、で判断されることを覚えておきましょう。
ゲーミングPCでいえば、「TVチューナー」ですね。ワンセグ、フルセグ、どちらも対象になります。その根拠は、放送法の第64条です。内容は以下のとおり。
「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」
ここでいう協会とはNHKのことですね。3月12日の判決では、ワンセグ機能が付いた携帯電話保有者に対してもこの条文が適用されるとしています。
ワンセグはフルセグに比べて解像度は27分の1、しかし料金は同額というのですから、ちょっと割高ですよね。どうせ契約義務があるのなら、フルセグチューナーのほうが良いでしょう。
ちなみに2019年時点のフルセグチューナーとしては、こんなものがあります。
ピクセラ
Xit Board XIT-BRD100W(PCIe接続型、約13000円)
Xit Brick XIT-BRK100W(USB接続型、約15000円)
IODATA
GV-MVP/AZ(USB接続型、約11000円)
おすすめは「Xit Board XIT-BRD100W」ですね。PC用テレビチューナーは、やはりPCIe接続型のほうが安定性・画質ともに上です。
ネット接続設備保有者がNHK契約対象になる可能性も
ここまでは、2019年時点のお話ですが、将来的には「ネット接続できる設備がある人全員に対し、NHK受信契約義務が発生する可能性」も指摘されています。
なぜネット接続だけで…?と思う方のために解説しますね。NHKは今後、ネット上で公共性のある番組を配信し「ネット受信料」を開始するかもしれないのです。ただし、まだまだ議論されている段階で、本決まりには程遠いのですが…。可能性としては、ゼロではありません。
NHKでは、テレビ用の電波に乗せている番組を、ネットでも同時配信し、ネット接続利用者に対して「ネット受信料」を請求する計画を立てています。実際に2019年5月に放送法が改正され、NHKの番組がインターネット上に配信されることが可能になりました。
ただし、NHKでは今のところ「ネット配信=放送ではない」という見解を出しており、受信契約を結ぶ対象ではないとしています。将来的にどうなるかはわかりませんが、ネットでNHKの配信を視聴できる環境があれば、ゲーミングPC保有者もその対象に含まれるかもしれません。
現実的には、何らかの制限をかけ、その制限を突破できる人(=契約した人)からのみ、ネット受信料を徴収しそうですが……。ゲームとは直接関係のない話ですが、将来的な可能性として、覚えておく必要がありそうですね。