AMDにやや押され気味のIntelですが、2019年中に第10世代CPU「Ice Lake」をリリースするとの情報があります。
かねてより噂されていた「Ice Lake」ですが、一体どのような特徴を持っているのでしょうか。
第10世代Intel CPU「Ice Lake」の特徴
2019年7月時点では、次のような情報が公開されています。
- 製造プロセスは10nm(既存製品は14nm++)
- AI機能の処理能力向上(Intel Deep Learning Boostを採用)
- 内蔵GPUに第11世代GPUコア「Intel Iris Plus」を採用し動画の処理能力向上
- 「Thunderbolt 3」とIntelの新しいWi-Fi仕様「Wi-Fi 6 Gig+」を実装(IEEE 802.11axのドラフト版準拠)
ちなみにIce Lakeはモバイルorタブレット向け端末として開発されているようです。ゲーミングノートPCに搭載される可能性も出てくるでしょう。注目すべきはAI機能の搭載ですね。ただし、ゲームとAI機能は直接関係がないため、この点は評価しようがありません。
ただし、既存のモバイル向けCPUと比べて、内蔵GPUの性能が2倍程度になる、というデータがあります。例えば、Ice Lake-UとCore i7-8565Uを比較した場合、ゲームプレイ時のフレームレートは1.4~1.8倍になるとのこと。
これは内蔵GPUの世代差・能力差によるところが大きいでしょう。
デスクトップPC向けのIce Lakeは登場するのか?
ゲーマーとして気になるのは、「デスクトップ向けCPU」だと思います。製品コードネームとしては「Ice Lake-H」「Ice Lake-S」と呼ばれてきたものですが、これらは出荷される見込みが薄いのだそうです。
といことは、現状の「Coffee Lake-Refresh」世代、つまり「第9世代インテル製CPU(9000番台)」が、当面の間の主流になるということですね。
第3世代Ryzenの発表を機に、CPUを深化させているAMDに比べると、少し歩みが遅い気がします。今、第9世代インテル製CPUを使っているのであれば、2020年以降の「Comet Lake」世代まで、交換を見合わせたほうが良さそうですね。
ゲーム用途ならRyzenの時代が来る?
AMDのRyzenシリーズは、もともと「ゲーミングCPU」として開発されています。これはRyzenが発表された2017年から世界中で言われていることです。
日本のネット上では「ゲーム用途なら1コアあたりの性能が高いほうが良い」と言われていますが、これは大ヒットしたPUBGの影響が大きいでしょう。
PUBGのようなバトルロワイヤルゲームでは、たしかにオブジェクトの処理を単一のスレッドで行いがちなため、1コア当たりの性能が高いほうが有利です。
しかし、それ以外のゲームでは、コア数が多いほうが有利になるケースが多いのです。また、ゲーム用途ならGPUの搭載は必須ですから、内蔵GPUの性能も実はそれほど関係ありません。
この点、デスクトップ向けRyzenは内蔵GPUを省略しており、ますます「ゲーム専用CPU」の色が濃くなっています。Intelの10nmプロセス採用CPUが来るまでは、AMDに移行してみる…というのも選択肢の一つになり得るかもしれません。