GTX1050Tiは、2016年10月に発売されたローエンド~ミドルレンジクラスの中間に位置するGPUです。未だにこのクラスでは「コスパ最強」と噂されるだけあり、発売から2年半が経過した今も人気がありますよね。
確かにGTX1050Tiは、新品・中古ともに在庫が豊富で入手性も高い万能GPUです。しかし、そろそろ性能の限界を感じている方も少なくないでしょう。そこで、GTX1050Tiからの有力なアップグレード先となるGPUを紹介します。
GTX1070Ti
まず2~3ランク上のGPUとしてGTX1070Tiをおすすめします。末尾(サフィックス)「Ti」は、基本モデルが一巡した後にローンチされることから、コスパに優れた製品が多いです。
GTX1070Tiも例外ではなく、「中身はほとんどGTX1080でありながら、価格は安い」という特長を持っています。
GTX1070Tiのスペック(カッコ内はGTX1050Tiのスペック)
製造プロセス | 16nm FinFET(14nm FinFET) |
CUDAコア数 | 2432基(768基) |
動作クロック | 1607~1683MHz(1290~1392MHz) |
メモリ種別、容量 | GDDR5 8GB(GDDR5 4GB) |
TDP | 180W(75W) |
価格 | 53000円前後(17000円前後)※2019年2月時点 |
RTXシリーズの登場で、今後値下がりが予想されるものの、性能的にはまだまだ大半の3Dゲームを高画質設定でプレイできる優れものです。
GTX1050Tiと相性が良かったCPU(Core i3 8100やCore i5 7400程度)でも何とかボトルネックにならず、投資も5万円程度で済むことから、おすすめのアップグレードパスといえます。
ただし、BTOパソコンでは選択しにくくなることから、買い替え⇒交換という流れが一般化するでしょう。
また、電源容量は「容量500W以上で80PLUS認証が付与されているもの」が最低ラインになりそうです。必要な電源容量はCPUのグレード(TDP)や全体的な構成にも左右されるのであくまでも目安となります。
RTX2060
nvidiaの新世代GPU「RTXシリーズ」のミドルレンジモデルです。ただし、中身は前世代の「1070~1070Ti」に相当するランクであることに注意。「ミドルレンジ上位~ハイエンド下位」のイメージを持っておいたほうが無難です。
RTX2060のスペック(カッコ内はGTX1050Tiのスペック)
製造プロセス | 12nm FinFET(14nm FinFET) |
CUDAコア数 | 1920基(768基) |
動作クロック | 1365~1680MHz(1290~1392MHz) |
メモリ種別、容量 | GDDR6 6GB(GDDR5 4GB) |
TDP | 160W(75W) |
価格 | 45000円前後(17000円前後)※2019年2月時点 |
GTX1070Tiよりも安く、性能はほぼ同等、しかもレイトレーシングにも対応という豪華なミドルレンジGPUですね。個人的には、GTX1050Tiユーザーのアップグレードパスとして最有力かなと感じています。
3DMarkをはじめとした各種ベンチマークののスコアを見ても、GTX1070Tiとほとんど差がありません。つまり、似た性能を持つGTX1080と比較しても体感できるほどの差は無いでしょう。こちらも電源は500Wを基準に選択したいですね。
1足とびにハイエンドGPUはハイリスク
以上、GTX1050Tiからのアップグレードパスとして2つのGPUを紹介しました。GTX1070Tiが今後どの程度値下がりするかによりますが、どちらを選んでも「追加投資分は回収できるGPU」といえます。ただし、GTX1050Tiが搭載されているBTOパソコンで、これ以上の性能を求めるのは危険かもしれません。
なぜなら、ゲーミングPCで最も重要な「バランス」が失われてしまうからです。GTX1080Ti(RTX2070)以上のGPUを搭載するには、電源やCPU、マザーボードの交換も視野に入ってきます。
単純にGPUだけの更新とはいかないことに注意しましょう。いっそのこと、新品を買ったほうが安くつく可能性が高いです。