メニーコア化が進んでいる影響からか、高性能なゲーミングノートPCが増えてきましたね。もはや「持ち運べるハイエンドデスクトップPC」と言っても過言ではないようなモデルが、当たり前のように存在していますから。
しかし、処理性能以外の部分ではどうでしょうか。「性能に差がないのなら、どこを比べるべきか」迷っていませんか?今回は、ゲーミングノートPCにおける「処理性能以外の比較ポイント」を紹介します。
使い方によって変わる「比較ポイント」
ゲーミングノートPCは、デスクトップPCと異なり、使い方にバリエーションがあります。簡単に言えば「据え置き(自宅やオフィスの特定の場所に置きっぱなし)」か「持ち運び(出張、通学、通勤、ノマドなど)」か、という2択ですね。
私は、それぞれで重視すべきポイントが異なると考えています。そこで、使い方別の重視ポイントを整理してみます。
据え置きで重視すべきポイント
- 画面の大きさ
- 視野角(液晶パネルのタイプ)
- 排熱の良さ
- アームレストの広さ
据え置き型は、「省スペースなデスクトップ」と同じ使い方をするため、小ささや重さにこだわる必要はないでしょう。ノートPCというだけで圧倒的に省スペースですからね。それよりも、「目や腕に優しく、長時間作業でも疲れにくい」ことが重要です。
では次に、持ち運びが前提となる場合の重視ポイントです。
持ち運び前提で重視すべきポイント
- 性能を犠牲にしない程度の重さ、薄さ(利き腕ではないほうで持ったとき、苦にならない程度)
- 省電力性
- 耐久性(MIL規格※がベスト)
頻繁な移動が前提ですから、「薄くて軽くて、できるだけバッテリーが長持ちする耐久性に優れたモデル」が最適解でしょう。
最近だと、「MAX-Q規格」の採用で、軽量薄型モデルでも独立GPUを搭載しているノートPCがあります。また、AMDのRyzen APUを搭載しているモデルも増えてきました。
つまり、「薄くて軽い=性能が低い」は成立しない時代なのです。そこで重要になるのが、「耐久性」です。個人的にはこの耐久性が最も重要だと感じています。
特に気温差や振動、衝撃は、持ち運び利用時に大きな故障リスクとなります。これらを軽減できるモデルが、最もストレス無く使い倒せるゲーミングノートPCだといえるでしょう。
最近ではSSD搭載モデルが当然になっているため、以前ほど衝撃に気をつかう必要はなくなりました。しかし、移動時の細かな振動や気温変動で、マザーボードやコンデンサーがダメージを受ける可能性は、ゼロではないのです。
※MIL規格…米国国防総省が定める軍用規格の略称。軍での使用に耐えられるよう、さまざまな項目で耐久基準が決められている。
各社が力を入れる「高耐久モデル」
ゲーミングノートPCのヘビーユーザーほど耐久性を気にするのは、どうやらPCメーカーも理解しているようです。その証拠に、ゲーミングPCに「MIL規格」を適用するケースが増えています。以下、PCメーカー各社の高耐久モデルです。
ASUS | TUF Gamingシリーズ |
Lenovo | ThinkPad X1 Carbonシリーズ |
HP | EliteBook 830 G5/CT |
ASUSのTUF Gamingシリーズは、MIL規格を採用したゲーミングノートPCの代名詞的な存在となりました。大手ASUSが力を入れているだけに、高耐久に対する需要の高さが伺えますね。
特に2019年4月に発表された「TUF Gaming FX505DY」は、Ryzen APU(Ryzen 5 3550H)+独立GPU(Radeon RX 560X)を搭載する、グラフィック重視のモデルです。
2019年以降は、IntelのCPU不足もあり、AMD社のRyzen APUを搭載した本格的なゲーミングノートが増えると予想されます。