「他のゲーマーは一体どんなスペックのPCを使っているのだろう?」という疑問は、PCゲーマーなら一度は思い浮かべたことがあるかと思います。ゲームを快適にプレイするならできるだけスペックが高いほうが良いですし、ハイスペックなPCに憧れる気持ちもありますからね。
しかし、パーツごとの性能を比較したサイトは数あれど、「PCパーツごとの使用率」を算出しているサイトは本当に少ないもの。実はあの世界的なゲームプラットフォーム「Steam」で、ハードウェアの使用率データを公開しているのです。
Steam「ハードウェア & ソフトウェア調査」とは?
Steamでは、ユーザーが使用しているハードウェアやソフトウェアの種類を、毎月統計にまとめて公開しています。公開している場所はこちらです。
ちなみに2019年3月時点では、以下のようなサマリーが公開されています。(使用ユーザー率が最も高いものを一覧にまとめています。)
最も使われているOS | Windows 10 64bit(66.92%) |
メモリ容量 | 8GB(37.57%) |
Intel CPUの動作クロック数 | 3.3~3.69 Ghz(21.82%) |
CPUの物理コア数 | 物理4コアCPU(55.63%) |
GPU | GeForce GTX 1060 (14.99%) |
このサマリーから、以下のことがわかります。
- Windows10 64bitユーザーが大多数を占める(7はかなりの少数派)
- メモリ8GBは一般的とは言い難い(4割未満)
- 旧世代のミドルレンジGPU「GTX1060」がまだまだ強い
GPUの王者は「GTX1060」、CPUはIntelが8割
次に、主要パーツである「CPU」と「GPU」について、もう少し詳しく見ていきましょう。
CPU
- Intel CPUの使用率(81.96%)がAMD(18.02%)を大きく上回る
- 両社ともに、動作クロック数は「3GHz以上」が当たり前になっている
GPU
- 旧世代のGTXシリーズ、かつミドルレンジモデルが圧倒的に強い(GTX1050~GTX1060)
- GTX1050、GTX1050Ti、GTX1060を合計した割合は全体の3割を超える
- RTXシリーズで最も使われているのは「RTX2070」で全体の0.65%
- ただし、RTXシリーズの使用率は増加傾向、GTX上位3モデルの使用率は横ばい~減少傾向にある
やはり、まだまだ「Intel製CPU+GTXシリーズ」が強いようですね。ゲーミングPCの鉄板的な構成といえるでしょう。しかし、AMDのCPUや新世代のRTXシリーズも徐々に増えており、ゲーミングPCのパーツは多様化の道をたどっているように見えます。
ゲーミングPCから「鉄板構成」が無くなる?
2018年からIntel社の「CPU供給不足」が発生しており、この流れは2019年以降も継続すると見られています。そのため、主要なPCベンダーがAMD製CPUを採用したモデルを増やすでしょう。当然、ゲーミングPCの構成も変わってくるはずです。
AMDはRyzen以降の大躍進で、性能も価格もIntelに負けていませんからね。むしろAPUや内蔵GPUの分野では、Intelをリードしています。
今後、「Radeon Ⅶ」が成功すれば、独立GPUでもNvidiaを猛追するかもしれません。つまり、「Intel+Nvidia」という、長らくゲーミングPCの鉄板だった構成は崩れていくでしょう。
BTOパソコンを選ぶ時も、あまり他人を気にせず、自分の好きな構成を考えるときなのかもしれませんね。