AMDの「Navi世代」に対抗する形で発表された、Nvidiaの「GeForce RTX SUPER」シリーズが話題になっています。シリーズ名に「SUPER」を入れるくらいですから、かなり自信があるのでしょうね。なかなか強気なネーミングです。
では一体どんなGPUなのか、まとめてみたいと思います。
基本スペックは変わらず性能を向上させたSUPERシリーズ
今回発表されたのは、「RTX2080 SUPER」「RTX2070 SUPER」「RTX2060 SUPER」の3モデル。
いずれも、基本的には12nmで製造され、GPUダイの世代も既存RTXシリーズと同じ(TU104とTU106)ですが、動作クロックが向上しています。
無印版と比較した結果は以下のとおりです。
RTX2080 SUPER vs RTX2080
RTX2080 SUPER | RTX2080 | |
---|---|---|
GPUコア | TU104 | TU104 |
CUDAコア数 | 3072 | 2944 |
動作クロック | 1650~1815MHz | 1515~1710MHz |
TDP | 250W | 215W |
RTX2070 SUPER vs RTX2070
RTX2070 SUPER | RTX2070 | |
---|---|---|
GPUコア | TU104 | TU104 |
CUDAコア数 | 2560 | 2340 |
動作クロック | 1605~1770MHz | 1410~1620MHz |
TDP | 215W | 175W |
RTX2060 SUPER vs RTX2060
RTX2060 SUPER | RTX2060 | |
---|---|---|
GPUコア | TU106 | TU106 |
CUDAコア数 | 2176 | 1920 |
動作クロック | 1470~1650MHz | 1365~1680MHz |
TDP | 175W | 160W |
単純に演算能力と動作クロック数が上がり、性能がそれぞれ15~25%程度向上しているという報告が出ています。ただしTDPも増えていることから、冷却対策には力をいれたいところ。
価格は無印版と同じ?
日本での販売価格はわかりませんが、米ドルベースの価格は据え置きになるようです。つまり、同額で15~20%性能が向上したGPUを入手できるということ。
これは朗報ですよね。また、2080無印と2070無印は生産が終了になるそうです。つまり今後は、
- RTX2080Ti
- RTX2080 SUPER
- RTX2070 SUPER
- RTX2060 SUPER
- RTX2060
といったラインナップになることが予想されます。
AMDがNaviシリーズ(Radeon RX 5700シリーズ)でNvidiaに追いついてきていますから、引き離したいという思惑がありそうですね。RTX2070 SUPERはRadeon RX 5700XTが、RTX2060 SUPERはRadeon RX 5700が直接の強豪になるでしょう。
価格は、AMD側が若干安いものの、性能面ではSUPERシリーズが上回ることは確実ですから、そのあたりの線引きが難しそうです。SUPERシリーズは旧・無印版と比較して15%程度の性能向上を、同価格で実現していますから、その分だけお得とも考えられるでしょう。
個人的には、どれを買ってもハズレは無いと思いますが、GPUのアップグレードパスに一石を投じる発表であることは間違いありません。