パソコンのCPUとグラフィックボードのGPU、どちらも似ているようで違うこの2つの違いについて解説したいと思います。
CPUとGPUの違い
いきなり結論を言うと、実は突き詰めるとCPUもGPUも同じものと言えるのです。CPUもGPUもどちらも演算処理装置と呼ばれ、与えられた大量の計算をとてつもない速度で処理しています。そういった点ではCPUもGPUもやっていることはまったく同じなのです。
しかしCPUとGPUでは処理している内容はまったく違います。そもそもの設計思想も違えば、構成される部品も違います。
CPUとGPUで大きく違う点は、構成するコアの数です。CPUのコア数は通常4つや8つ程度ですが、GPUのコア数は例えばNVIDIA GTX 1080 Tiなら3584コアにも持っています。いろいろな処理をこなせる専門的な技術者が少数精鋭で構成されているのがCPU、単純作業ではありますが、3000人を超える人数で構成されているのがGPUといったところでしょうか。コア数が違えば得意とする処理方法も違ってきます。
CPUが得意とする処理
CPUはコア数は少ないですが、一つ一つのコアの処理能力が非常に高く、複雑な計算を処理することを得意としています。
CPUが処理するのはさまざまな複雑なアプリケーションです。もっとも複雑なアプリケーションなのがWindowsやMacなどのOSです。OSとしての基本機能はもちろん、そのOSの上で動くアプリケーションまで処理する必要があります。そのため、CPUはいろいろな処理に対応できるように設計されています。
CPUはCentral Processing Unitの略で、中央演算処理装置と訳されます。パソコンの処理はすべてCPUに集められ、すべてCPUによって処理されるためこう呼ばれます。
GPUが得意とする処理
GPUはCPUに比べて非常に多いコアを持っています。コア一つの処理能力はそこまで高くありません。そのため単純な処理を大量に処理することを得意としています。
GPUが処理するのはおもにゲームなどのグラフィックスです。ひとつひとつの処理は難しくありませんが、次から次へと大量の計算が必要になります。
GPUはGraphics Processing Unitの略で、画像演算装置と訳されます。リアルタイムで画像を処理することに特化しています。GPU専用のメモリまで持っています。
最近では機械学習用の計算処理装置としてもGPUが注目されています。計算の内容を単純な形式に落とし込みさえすれば、非常に多くのコアを持つGPUのほうが処理が速くなります。
今後も機械学習だけでなく様々な分野でGPUが応用活用されていくことが予想されます。