CPUの性能をみるときにクロック数にばかり目がいってしまいますが、コア数とスレッド数を意識したことがあるでしょうか。数字が大きいほど良いということはクロック数と同じですが、どういう意味なのかを解説したいと思います。
CPUの性能を測るバロメーター
CPUの性能を総合的に測るには、クロック数とコア数とスレッド数を総合的に判断する必要があります。昔のCPUはまだマルチコアに対応しておらず、クロック数の大きさだけがCPUの性能を決定づけていました。
しかしインテルのハイパースレッディングテクノロジーをはじめ、マルチコア技術が生まれてからは、単純なクロック数だけでなく、コア数やスレッド数もCPUの総合的な性能を左右するようになったのです。
CPUのコアとは
よくCPUは頭脳と例えられます。厳密にはCPUの中の1つ1つのコアが頭脳というほうがふさわしいかもしれません。
昔のCPUは1コアしかありませんでしたが、現在のCPUは4コアや8コア、多いものでは16コアといったものまであります。この頭脳であるコアが多ければ多いほど、複数のプログラムを同時並行で処理できるようになるのです。
最近ではパソコンの性能も上がったため、複数のアプリケーションを同時に動かすことが当たり前になってきました。これまで1つのコアで順番に処理して間に合っていたものが、間に合わなくなってきたのです。そこでCPUをマルチコアにすることで、アプリケーションの処理をコアごとに分担し処理することで、アプリケーションをたくさん同時に立ち上げてもサクサク動くようになるため、性能の高いCPUのように感じるのです。
クロック数はPentium 4時代からそれほど大きくは変わっていませんが、マルチコア化によって処理能力を効率的に使うことでCPUの性能をアップさせています。
CPUのスレッドとは
コアが頭脳と例えるなら、スレッドは手足に例えられるかもしれません。スレッドは1つのコアに対し、同時並行で処理する数をいいます。
スレッドはマルチコアの考え方に似ています。基本的には1コアに対して1スレッドとなっており、1つのコアで1つの処理系統を持っています。いくらコアの処理能力に余裕があったとしてもスレッドが1つなので1つの処理しかできません。
そこで1つのコアにたいして複数の命令系統、つまりスレッドを持たせることで、1つのコアで2つの処理を同時に並行しておこなうことができるようにしたのがハイパースレッディングテクノロジーです。
この技術によってより効率的にコアの能力を使うことができるようになり、CPUの処理能力が格段にアップしました。
現在のCPUのほとんどがマルチコア・マルチスレッドに対応しています。たとえばインテルのCoreシリーズの上位モデルCore i7-8700では6コア12スレッドです。1コアあたりのクロック数は3.2GHzですので、Pentium 4時代からクロック数だけで見ると差はありませんが、CPUスコアは何倍にも向上しているのです。