グラフィック設定のよくある項目の一つで、イマイチわかりづらい設定でもあるテクスチャフィルタリングについて説明したいと思います。
テクスチャフィルタリングとは
テクスチャフィルタリングは、アンチエイリアスや垂直同期といったグラフィック設定と同様に、3Dゲームのリアリティに大きく関わる設定項目です。
ざっくりと簡単に言うと、テクスチャに対してフィルターをかけてより自然に見えるよう加工して、テクスチャの違和感を無くすための技術です。この技術自体は昔からコンシューマーゲームにも使われており、プレイステーション2やニンテンドー64にもテクスチャフィルタリングは使われていました。
奥行にある3Dゲームですと、向かって奥に表示されるテクスチャは縮小し、手前に表示するテクスチャは拡大して表示させています。サイズの違うテクスチャを一つ一つ用意していたのでは、ディスク容量やメモリがいくらあっても足りません。そこでテクスチャを拡大したり縮小したりしてポリゴンに張り付けて使用しているのです。
しかしそのまま拡大縮小するとテクスチャが荒くなってしまい美しくありませんし、初期のプレイステーションのゲームのような画質になってしまいます。そこで拡大縮小しても、より自然なテクスチャに見えるようにテクスチャフィルタリング処理が行われているのです。
テクスチャフィルタリングの種類
テクスチャフィルタリングには手法にいくつか種類があります。
バイリニアフィルタリング
バイリニアフィルタリングは、負荷の少ない軽量なテクスチャフィルタリング処理です。バイリニアはテクスチャを拡大処理した際に隣接するピクセルの色補完を行います。
深い技術的な話をすると混乱の元ですので割愛しますが、テクスチャを伸ばしたときに伸ばされた部分の色を均一ではなく、隣接していたピクセル間にグラデーションをかけてぼやけさせることによって自然に見せようという手法です。
テクスチャフィルタリングをしない状態に比べてかなり自然に見えるようになりますが、拡大することでテクスチャ間のすき間が目立つようになってしまいます。
トリリニアフィルタリング
トリリニアフィルタリングはバイリニアの改良版で、隣接するピクセル間の補完処理に、奥行きの考慮を加えた手法です。バイリニアに比べて処理は重くなりますが、より滑らかでバイリニアで目立っていたテクスチャ間のすき間が軽減されています。しかし遠くになればなるほどぼやけて見えることに変わりはありません。しっかり細部を見ないことには、あまりバイリニアとトリリニアの違いに気づかないかもしれません。
異方性フィルタリング
現在一番優秀とされているテクスチャフィルタリング手法が、異方性フィルタリングです。トリリニアのさらに改良版で、奥行きだけでなくテクスチャの傾きを考慮し補完しています。色の計算するための範囲をテクスチャの奥行や傾きによって可変させて、最適な範囲で計算するため、ディテールがはっきりするようになります。
テクスチャフィルタリングは3Dゲームには必須の技術
このように3Dゲームにはテクスチャフィルタリングはもはや必須です。バイリニアやトリリニアは少し古い手法ですし、高解像度になればなるほどバイリニアやトリリニアは不利です。グラフィックカードのスペックに問題がなければ、異方性フィルタリングを使用するのが一番きれいなグラフィックを体感することができます。