GTX 1050とGTX 1050 Tiは、どちらも1万円台から買えるPascal世代のエントリーグラフィックカードです。この2枚のカードの間にはどれくらいの性能差があるのかを見ていきたいと思います。
GeForce GTX 1050 Tiのスペック
まずはGTX 1050 Tiのスペックを見ていきましょう。
- CUDAコア : 768
- ベースクロック : 1290MHz
- ブーストクロック : 1392MHz
- メモリクロック :7 Gbps
- メモリ量 : GDDR5 4GB
- メモリインターフェース : 128bit
- メモリ最大バンド幅 : 112GB/sec
- TDP :75W
- 補助電源 : 不要
CUDAコア数は768基、これはGTX 1060 6GBが1280基なので、GTX 1060 6GBに比べて60%の数です。メモリはGDDR5で4GBを搭載しています。メモリ量で比較するとGTX 1060 3GBよりも多いのですが、メモリクロックがGTX 1050 Tiのほうが低くなっています。性能はGTX 1060 3GBと比べても落ちてしましますが、補助電源不要のTDP75Wでこの性能は、Pascal世代ならではといったところでしょう。
GTX xx50 Tiというのは、前世代はGTX 750 Tiになります。GTX 9xxシリーズでは950はありましたが、950 Tiは登場しませんでしたので、750 Tiからの正統な後継モデルとなります。
GTX 1050 TIとGTX 1050の比較
GTX 1050のスペックは下記のとおりです。GTX 1050 Tiと比較してみましょう。
- CUDAコア : 640
- ベースクロック : 1354MHz
- ブーストクロック : 1455MHz
- メモリクロック : 7Gbps
- メモリ量 : GDDR5 2GB
- メモリインターフェース : 128bit
- メモリ最大バンド幅 : 112GB/sec
- TDP : 75W
- 補助電源 : 不要
GTX 1050 Tiと比べると、コア数の減少、メモリ量の減少となっています。ベースクロックとブースト時のクロックについてはGTX 1050のほうが高く設定されていますが、コア数が減少していますので全体の処理能力としては劣ります。
実際にベンチマークの結果で比較すると、GTX 1050とGTX 1050 Tiの性能差はおよそ8~10%ほどになります。
3D Mark : Fire Strike
- GTX 1050 : 6099
- GTX 1050 Ti : 6688
- GTX 1060 3GB : 11003
3D Mark Fire Strikeでの比較結果は、およそ9%の性能差になりました。GTX 1060 3GBとはやはりスコアの差は大きいです。
ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマーク(フルHD最高品質)
- GTX 1050 : 6393
- GTX 1050 Ti : 7708
- GTX 1060 3GB : 11559
ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーターの公式ベンチマークでの比較です。スコアでは17%ほどの差がついています。実際の平均FPSとしては、GTX 1050で44fps、GTX 1050 Tiで51fpsとなっており、どちらにせよ最高品質で60fps維持は難しいところです。
ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマーク(フルHD標準品質)
- GTX 1050 : 14454
- GTX 1050 Ti : 16299
- GTX 1060 3GB : 19303
標準品質でのスコア差は12%ほどで、平均fpsはGTX 1050で99fps、GTX 1050 Tiで112fpsと、どちらも100fps前後になっており、快適なプレイが可能になっています。
GeForce GTX 1050 Tiはかなりの良コスパ
2017年12月時点でGTX 1050は13,000円台、GTX 1050 Tiは15,000円台、GTX 1060 3GBは25,000円台となっています。
プレイするゲームによりますが、最新の3Dゲームやオンラインゲームで最高設定に拘らないのであれば、GTX 1050 Tiはとても優秀といえるでしょう。フルHD解像度で標準的なグラフィック設定であればGTX 1050 Tiで平均60fpsは十分に可能です。ただしグラフィック設定を高以上でプレイしたいのであれば、GTX 1050やGTX 1050 Tiでは明らかに力不足です。
GTX 1050とGTX 1050 Tiで悩むとすれば、2000円の差額分のパフォーマンス差があるかということでしょうか。もしそこで悩んでいるのであれば、GTX 1050 Tiは5000円分程度のパフォーマンス差はあるといえます。もちろん予算の都合でGTX 1050に抑えるのは構いません。しかしもし私自身が悩んでいた場合、CPUやメモリ、キーボードを外してでもGTX 1050 Tiにすると思います。
このようにGTX 1050とGTX 1050 Tiの差は価格以上となっており、特別な事情が無ければGTX 1050 Tiの方が優秀です。GTX 1060 3GBは1.6倍の価格になってしまいますが、グラフィック設定を上げるにはGTX 1060 3GBが最低でも必要でしょう。どこまで解像度やグラフィック設定に拘るかで、最適なグラフィックカードもおのずと決まってくるでしょう。