大枚を叩いて買ったPC、カタログ値では最高のパーツをいくつも組み合わせて自作したPCなど「理論上は」高スペックなPCをお持ちのみなさん。「実際はそんなに実感するほど高スペックじゃないのかもしれない」なんて不安があるんじゃないですか?
PCのスペックは複数の項目を考慮する必要がある上、カタログや仕様だけ見ていても実際に動かしてみなければわからないことも多いです。でもベンチマークなんてやったことないし、というあなたのために、PCのベンチマークの仕方をお教えします。
高スペックとはどういう状態か
そもそも、PCのスペックとはなんでしょうか。どういう状態のPCなら「高スペック」といえるのでしょう。
例えば、CPUは最新のものを使い、ストレージも爆速SSDであればグラフィックカードはつけていなくてもいいのでしょうか。それとも、CPUは劣るけれども、より大容量のデータを保存しておけるPCの方がいいのでしょうか。
そう、既にみなさんお気づきの通り、高スペックかどうかというのは相対的なものであり、かつ使用する目的に沿っているかどうかが大切なのです。
PCはいくつものパーツを組み合わせて完成する道具であり、単一の指標でその全てを評価するのには無理があります。CPUの性能、ネットワークの信頼性、ストレージの容量など、いくつもの指標を総合的に勘案する必要があり、単純な比較は難しいのです。
Windows標準の「エクスペリエンス・インデックス」
とはいえ、パーツごとのいろいろな指標を知っておくことで性能上のボトルネックを把握することができ、何か性能的に不便を感じた時に効果的に改善することができるようになります。
一番簡単でわかりやすいベンチマークは、Windows Vista以降のWindowsに標準で備わっています。それが「エクスペリエンス・インデックス」です。Windows 10では少し手間がかかりますが、簡単な数字でパッとわかるそのわかりやすさはなかなか使い勝手がいいです。
Windows VistaとWindows 7では「コントロールパネル」の「パフォーマンスの情報とツール」で確認できます。数字が低い項目ほど改善する余地があることを意味します。
よく使うベンチマークソフト
さて、ストレージやネットワークなど、大雑把にどのあたりの項目がネックなのかを知るのはエクスペリエンス・インデックスで事足りそうです。
しかし、同じストレージでもあるSSDと別のSSDの違いについて詳細にベンチマークをとりたいときはこれでは全く足りません。CPUやネットワーク機器も同じくです。
そこで、それぞれのパーツごとに特化したベンチマークソフトを使います。有名なものでは、CPUの情報とベンチマークをとる「CPU Z」、ストレージ系で根強い人気を誇る「CrystalDiskMark」、そしてメモリの速度をMB/Secで教えてくれる「MaxxMEM2」、ゲームが遊べるか判断するためにグラフィックカードの性能を測ることに使われる各種ゲームのベンチマークソフトなどがあります。
まとめ
多くのベンチマークソフトはいくつかのパーツについての情報やベンチマークをとり、PC全体として総合的に判断できるようにスコア付けしています。しかし、これひとつ入れておけばOKというソフトは少ないでしょうし、エクスペリエンス・インデックス以上に詳細な情報がほしいのはマニアだけな気もします。
あくまでベンチマークはたかだか数回の試行によって判断しているだけということを忘れずに、環境誤差やカタログスペックなども考慮するべきでしょう。そこまで詳細に違いを見分ける必要があるかはまた別の話です。