GTX1060の3GBモデルと6GBモデルはVRAM量だけではなく、下記のような点でも違いがあります。
3GB版 | 6GB版 | |
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トランジスタ数 | 44億 | 44億 |
シェーダーユニット数 | 1152 | 1280 |
演算ユニット数 | 9 | 10 |
理論性能 | 3935 GFLOPS | 4375 GFLOPS |
トランジスタ数が同じなのに、性能を左右するシェーダーユニット数や演算ユニット数が異なっています。そのせいで、理論性能でも9%ほどの違いが出ています。
2種類ある理由
GPUの世代とトランジスタ数が同じということは、GTX1060の3GB版と6GB版に搭載されているGPUは同じものとして製造したということです。そして製造した中で、性能の低いものを3GB版に、高いものを6GBに搭載して販売されているんです。
CPUやGPUといったLSI(大規模集積回路)は製造した結果、思うような性能が出ない製品が混ざることがあります。通常ならばそれらの検査にパスできなかった製品は廃棄されます。ある程度の基準はパスしている検査落ち品は格安モデルに搭載することでロスを少なくする場合もあります。それが今回のGTX1060 3GB版にあたるわけです。
それぞれのメリット・デメリット
3GB版のメリット
安い
3GB版と6GB版の価格差は4,000~5,000円ほどです。6GB版が約30,000円程度が相場ですので、15~20%ほどの価格差です。性能差が10%程度なので、VRAMさえ不足しなければ3GB版の方がお得だと言えます。
現在販売されているゲームではフルHDの解像度までなら、殆どのゲームで3GBで不足することはないので「4kやVRは考えていない」「VRAM使用量が多いゲームでは、エフェクトの設定を下げてもかまわない」という方には3GB版がオススメです。
3GB版のデメリット
性能が約9%低い
単純なGPUの性能において9%の差があるため、最新の負荷の高いゲームではフレームレートにも10%程度6GB版に劣ります。
VRAM量が不足した場合、さらに実行性能は落ちる
4kやVRのような高い解像度。また、画質の中でも特にエフェクト部分を高設定にした場合、VRAMの消費量は大きく上がります。不足すると、こまめにデータを取り込みなおしたり、低速なメインメモリや仮想メモリを利用したりすることになるので一気にフレームレートが低下します。
6GB版のメリット
性能が高い
3GB版に対して約10%性能が高いため、20%の価格差のうち10%は性能分と考えることができます。
VRAM不足になりにくい
6GBのVRAMはGTX1060の性能に対して十分といえる量なので、4KやVRでもGTX1060で動かせる程度の設定ならばまず不足することはないでしょう。またフルHD解像度の場合でも、リッチなエフェクトを多用してもVRAM不足になることはまずありません。
6GB版のデメリット
価格が高い
VRAMが余る使い方をする場合には、10%の性能差に対して20%の価格を支払っていることになります。
まとめ
性能差は10%、価格差は20%です。3GBのVRAMの差に10%分の価値を見出せるかが分かれ目です。
- フルHD解像度でのプレイが前提。新作ゲームは多少設定を下げてもかまわない。という方には3GB版がオススメ
- 4kやVRにも興味がある。なるべくエフェクトは高設定にしたい。という方には6GB版がオススメ