VR(仮想現実)は、単なる情報伝達ではなく「体験」を重視している技術であることは、既にご存知のとおりです。そのため、教育の世界でも有望だと考えられています。つまり近い将来、ゲーミングPCで学校の授業を受けられる可能性が出てきたのです。
特にこれまで「実習」が必要でリモート学習が難しかった分野では、VR×ゲーミングPCの恩恵が大きいかもしれません。
料理をVR学習できる「VR Sushi Bar」
こちらは2017年に公開されたVR対応シミュレーションゲーム。VRを使って寿司職人気分を味わえるだけではなく、おひつからシャリを取り、ネタを乗せ、巻物の具材を包丁で切るなどの動作が体験できます。
ただし、肝心の「握る」動作が練習できないため、「工程を学ぶ」程度の効果しかないといえるでしょう。
それでもこういったVRシミュレーションを応用すれば、さまざまな分野で体験ベースの学習ができるようになります。特に医療分野では「手術トレーニング用アプリ」としてVRやARの需要があります。座学だけでは学べない分野ですからね。
遠隔授業や社会科見学にも活用
日本よりも広い国土をもつオーストラリアでは、遠隔地の優秀な学生を集めたリモート授業をVRによって提供しています。この「バーチャルスクール」を展開している「Aurora College」は、オンライン会議システムとウェブカメラ、マイク、学習管理システムを併用しています。
ちなみにVRによる学習は、分野によってはリアルな授業よりも理解度を高めやすいという結果が出ています。生まれた土地や交通アクセスの事情による、「教育機会の格差」が問題になっていますが、バーチャルスクールにはこれを埋められるポテンシャルがあるわけです。
また、肉体的・健康的な問題から社会科見学や遠足に参加できない子供たちも、これら「課外授業」に参加できるようになるでしょう。
ちなみに日本でも、日本でもオンラインスクールやE-ラーニングが徐々に一般化しており、「バーチャルスクール」を受けられる環境を整えておいても損はありません。
ゲーミングPCが自宅の教育ハブになる?
これまで、「学校⇒学習塾⇒自宅での学習」というルーチンで行われた理解度の定着が、今後は「VR学習」だけで完結する可能性があります。また、VRが持つ「体験」「没入感」は、5感全てを使った学習につながります。これは、自宅を強力な教育ハブに変えるかもしれません。
ただし、VRやARによるリアルで没入感の高い教育を受けるためには、相応のスペックを持ったPCが必要になります。
将来的にはわかりませんが、現時点でVRやARに対応できるのは「ゲーミングPC」だけでしょう。特に大手BTOショップのミドルレンジ~ハイエンドモデルは、VRへの正式対応をうたっているモデルも多く、おすすめです。