最近ではいろいろなものがどんどん無線になっています。家の中のネットワークもずいぶん前から無線化が浸透していたと思います。たしかに無線は有線に比べてケーブルの煩わしさもありませんし、場所を選ばずどこからでも接続できるのはとても魅力的です。しかしいろいろな理由から有線を使い続ける一部のユーザーもいます。有線と無線はどう違って、どちらを選べばよいのかを見ていきたいと思います。
有線のメリットとデメリット
有線はLANケーブルを使って、パソコンのLANポートとルーターのLANポートを物理的に接続して通信します。一番確実性のある接続方法で、通信の途中で切断されることはまずありません。
有線のメリット
- 通信スピード
- 通信の安定性
- トータルコストが安い
有線で接続するメリットは、もっとも安定して理論値に近いスピードが安価に出せるということです。100Mbpsであれば1秒間に12MB、1Gbpsであれば1秒間に120MBのデータを理論上やり取りできます。もちろんデータを変換する際のロスなどで実測値は少し下がります。
またLANケーブルはシールド加工されていてノイズ干渉が起きにくい作りになっています。物理的に結線されていることもあり、通信品質ももっとも安定しているといえます。
こうした安定した環境を安価に構築できることが有線ネットワークのメリットです。LANケーブルは1本数百円で購入できますし、LANポートはパソコンのマザーボードに最初から搭載されています。
有線のデメリット
- ケーブルを引き回す必要がある
- 複数台接続するならHUBが必要
有線で接続するデメリットは、物理的にケーブルを結線しなければならない点に尽きます。ルーターとパソコンが同じ場所であれば、その問題はまったく関係ないのですが、例えばルーターが1階でパソコンが2階や3階となった場合に、どうやってLANケーブルを引き回すかが問題になってきます。LANケーブルも長くなれば長くなるほど価格も上がってしまい、有線のコスト安な点もなくなってしまいます。
またルーターのLANポートの口数以上はどうがんばっても刺さりませんので、別途HUBを用意する必要があります。台数が少ない場合は問題ありませんが、最近ではゲーム機や家電などもネットワークに接続することが増えてきました。たくさんの機器をネットワークに接続したい場合はルーターの口数では足りないかもしれません。
無線のメリットとデメリット
無線は無線用のルーターを用意して、機器と電波で通信します。そのままでは通信内容が傍受されてしまう可能性があるので、データを保護するために暗号化をして通信しています。
無線のメリット
- ケーブルが不要
- 場所を選ばずネットワークに接続できる
無線で接続するメリットはなんといってもケーブルがいらないという点です。ケーブルをつなぐ必要がないため、ルーターもパソコンもどこに設置してもよくなります。気分転換に模様替えや、部屋の片付けもしやすくなるのもメリットといえるでしょう。
電波の届く範囲であればどこからでも接続することができます。設置場所に困りやすいプリンタなども無線に対応していればパソコンの近くでなくても設置が可能です。
無線のデメリット
- 通信スピード
- 通信の安定性
- 無線用機器などコストが高い
無線のデメリットとしては通信の安定性です。技術の進歩によって依然と比べてかなり無線も安定してきています。それでもやはり有線と比べると安定性の面で劣る点があります。一つは壁やドアなどの遮蔽物による電波の減衰です。電波は壁やドア、部屋の構造などで強さが減衰してしまいます。減衰すると接続が切れてしまったり、速度が遅くなってしまうなどといったことが起こります。1階と2階といった階をまたぐ場合には、電波がしっかり届くかどうか確認が必要かもしれません。
また無線用ルーターを別途用意したり、アダプタや中継器を用意する必要がある場合など、いろいろと有線に比べてコストがかかるのもデメリットでしょう。
用途に応じた使い分けを、無線と有線の両方でもOK
オンラインゲームなど通信の安定性を重視する必要がある場合は、有線をオススメします。スマートフォンやタブレットでのゲームにはどうしようもありませんが、パソコンでプレイする場合はデスクトップ・ノートパソコンに関わらず有線で接続するほうが、通信状況でのストレスを感じることなくプレイすることができるでしょう。
有線と無線は混在させることもできます。無線ルーターにも有線用のLANポートがいくつかついているものが多くあります。有線と無線の両方の設定をルーターにしておけば、どちらでも接続できるようにすることができます。パソコンは有線で接続し、プリンタやスマートフォンなどは無線といった使い方ができますので、無線ルーターを選ぶ際も有線のLANポート数がいくつかあるものを選ぶことをオススメします。