通常、ゲーミングPCは1つのPCケースにひとつのCPU,OSが組み込まれています。しかし、今回紹介するPCは、なんと1つのケースに2つのCPUとOSが含まれるとのこと。
私もほとんど聞いたことがない構成ですが、デュアルCPUとも違うようです。一体どのようなPCで、何に使えるのか、考えてみたいと思います。
ハイエンドPCが2台!ストーム製「PUNI-W1」の凄さ
BTO大手のストームが発表したデスクトップPC「PUNI-W1」は、非常に独特な構成で話題を呼んでいます。その構成とは、「1つのケースの中に2つのCPU、GPU、OSが含まれる」ということ。つまり、事実上2台のPCがひとつのケースにおさまっているわけです。
実はこの仕組み、「デュアルシステム」と呼ばれており、一部のマニアの間で好評を博していました。
なぜなら、「メインマシン+サブマシンを1台分のスペースでまかなえる」からです。ただし、ストームのPUNI-W1は、今までのデュアルシステムとは異なります。通常、デュアルシステムはメインマシンとサブマシンを同居させるものであり、いわゆる「2台目」は若干スペックが落ちるのが当たり前でした。
一方PUNI-W1では、2台ともハイエンドな構成であり、いわば「メインマシン×2」という具合になっています。早速スペックを確認してみましょう。
PUNI-W1のスペック
PC1 | PC2 | |
---|---|---|
OS | Windows10 Pro 64bit | Windows10 Pro 64bit |
マザーボード | Z390チップセット搭載 ATXマザー | Z390チップセット搭載 mini-ITXマザー |
CPU | Core i9 9900K | Core i9 9900K |
GPU | RTX2080 | RTX2080 |
メモリ | DDR4 32GB | DDR4 32GB |
ストレージ | M.2 SSD(NVMe)256GB、SSD 500GB | M.2 SSD(NVMe)256GB、SSD 500GB |
共通パーツ(電源) |
このように1つのケースの中に、電源以外のパーツが2組搭載されている状態です。ハイエンドゲーミングPCが2台そのまま格納されていることがわかりますね。マザーボードのサイズを見ると、片方はATX、もう片方はmini-ITXとなっており、この点だけが異なっています。
ハイエンドゲーミングPC×2の構成は何に使える?
個人的には、以下のような使い方ができそうだと考えています。
- 家族や同居人との共有
- LANパーティー
- メインマシン、サブマシン兼用PC
最近は、ゲーミングPCにも「省スペース性」が重視されているため、1台分のスペースで2台のハイエンドゲーミングPCが構築できるのは大きなメリットです。
また、物理的には1台ですが、内部は完全に2台分として独立しており、家族や友達と共有しても問題が発生しません。デスクを2台ならべて、その間にこのPUNI-W1を設置すれば、仲間との共闘もスマートに行えるでしょう。
唯一のリスクは電源?
一方、デメリットやリスクもあります。それは電源がひとつであるということ。これだけのハイエンド構成を支える電源ですから、当然不可も高くなります。品質的には「1200Wで80OLUSプラチナ認証」と全く問題ありません。
しかし、故障する確率はゼロとは言い切れないのです。メインマシン、サブマシンとPCを分けるメリットは「片方が故障しても、もう片方で修理期間をしのげる」という点にあります。
PUNI-W1はもし電源が故障してしまうと、2台分のPCが使えなくなる可能性もあることから注意が必要です。ただし、電源の故障は滅多にありませんし、品質も高いですからそれほど心配いらないでしょう。個人的には非常に興味深いゲーミングPCですね。