CPUの「物理8コア」以上はもはや特別なことではなく、一般向けのPCにも浸透してきています。2018年12月時点では、インテルの「Core i9 9900K」とAMDの「Ryzen 7 2700X」が双璧といえそうですね。
この2つのCPUのうち、ゲームに適しているのはどちらなのでしょうか。
Core i9 9900K と Ryzen 7 2700Xのスペック比較
まず2つのCPUについて、スペックを比較してみましょう。
Core i9 9900K
- 8コア16スレッド
- 3.6GHz~5GHz動作
- TDP95W
- 実売価格 約67000円
Ryzen 7 2700X
- 8コア16スレッド
- 3.7GHz~4.3GHz動作
- TDP105W
- 実売価格 約42000円
OCなしで5GHz動作を実現したCore i9 9900Kと、8コア16スレッド環境を格安で構築できるRyzen 7 2700X。価格まで含めると、どちらも一長一短という印象があります。特にCore i9 9900Kは、Core i7 8700Kとの性能差から考えるとやや割高に感じてしまいますね。
しかし、5GHz動作を実現しながらTDPを100W未満に抑えてきたところは、さすがインテルというべきでしょうか。
主要タイトルでのベンチマーク比較
次は実際のベンチマーク結果(1080P環境)で比較してみます。
PUBG
Ryzen 7 2700X | 195 fps |
Core i9 9900K | 222 fps |
Far Cry 5
Ryzen 7 2700X | 104 fps |
Core i9 9900K | 136 fps |
ベンチマークとしての性能差は概ね10~20%程度ですが、人間が体感できるレベルかと言われると微妙なところです。
特にPUBGは150fps以上の領域での差であり、これを体感できる人はほとんどいないのではないでしょうか。体感差がないのであれば、価格が安いRyzen 7 2700Xを選ぶのが自然です。
また、一般的にAMDはマルチコア性能で、インテルはシングルコア性能で強みを発揮する傾向にあります。マルチコアに最適化されているタイトルならば、両者の差はほとんど感じられないと言ってよいでしょう。
ちなみにRyzen 7 2700Xに対する直接のライバルは第8世代CPUのエース「Core i7 8700K」であり、世代から考えても9900Kはワンランク上のCPUです。
絶対的な性能では9900Kに軍配があがるものの、世代差や価格差を考慮するとRyzen 7 2700Xの優秀さが光るといえそうです。
コスパなら2700X、性能重視なら9900K
Core i7 8700Kの後継となる「Core i9 9700K」は物理コアこそ8コアですが、HT(ハイパースレッディング)が無効となっています。そのため、マルチコア性能重視ならば16スレッド化されている9900Kが候補になるのですが、いかんせん値段が高い。
そこで、マルチコア性能に特化したRyzen 7 2700Xに目を向けるという選択肢が出てきます。実際にはゲーム用途で16スレッドをフル活用できることは稀ですから、物理コアの数と性能で差が出てくるでしょう。