Intel CPUのCoreファミリーには、Core i3からi9まで4つのシリーズがあります。以前はi3、i5、i7の3シリーズでしたが、2017年の5月に最上位シリーズのi9が発売されました。
単純に数字が大きいほうが性能が良い!という認識でも間違いありません。しかし当然数字が大きいほうが、お値段も高額になっていますので、一番いいのを買えば良いというわけでもありません。
まずはそれぞれのシリーズの特徴や違いを知っておくと、どれが自分に適しているかの判断に役に立つと思います。
CPUの性能はコア数とスレッド数、そしてクロック数で比べる
コア数とは人の数、スレッド数とは1人が同時にできる仕事の数、クロック数はその人の能力値と考えてください。
一人より二人、二人より四人いるほうがたくさん仕事が片付けられます。そして一人が同時に二つの仕事を同時にこなせるなら、さらに倍の仕事が片付けられます。さらに一人あたりの能力が高いともっと仕事が早く終わります。
実際には一人でしかやれない仕事があったりと、そこまで単純な話ではありませんが、CPUの性能はそういった概念で見ることができます。またCPU自体の最新機能の一部には上位シリーズにのみ搭載されているものもあります。
i3、i5、i7、i9、豊富なラインナップ
Intel Core i3
ターボブーストという機能が非搭載なぶん、安価なコストパフォーマンスの良いシリーズです。比較的小さな構成のパソコンを組みたいとき、少し安く仕上げたいときなどに適しています。また2コアながらも1コアあたり2スレッド処理できるため、複数のアプリケーションを使用していても動作が安定します。
省電力タイプ
- 7100T 2コア 4スレッド クロック数3.4GHz
- 7300T2コア 4スレッド クロック数3.5GHz
ノーマルタイプ
- 71002コア 4スレッド クロック数3.9GHz
- 73002コア 4スレッド クロック数4.0GHz
- 73202コア 4スレッド クロック数4.1GHz
オーバークロックタイプ
- 7350K2コア 4スレッド クロック数4.2GHz
Intel Core i5 (Kabylake)
i5からはターボブーストを搭載しています。ターボブーストは負荷があまりないときはクロック数を下げ消費電力を抑えます。負荷が高くなった時に自動でクロック数をブーストしてくれるので、消費電力とパフォーマンスのバランスがとても良いシリーズです。
i3に比べコア数が多いため、重い処理のアプリケーションを複数起動していても快適に動作してくれるでしょう。
省電力タイプ
- 7400T 4コア 4スレッド クロック数 2.4GHz~3.0GHz
- 7500T 4コア 4スレッド クロック数 2.7GHz~3.3GHz
- 7600T 4コア 4スレッド クロック数 2.8GHz~3.7GHz
ノーマルタイプ
- 74004コア 4スレッド クロック数 3.0GHz~3.5GHz
- 75004コア 4スレッド クロック数 3.4GHz~3.8GHz
- 76004コア 4スレッド クロック数 3.5GHz~4.1GHz
オーバークロックタイプ
- 7600K4コア 4スレッド クロック数 3.8GHz~4.2GHz
Intel Core i7 (Kabylake)
i7は4コア8スレッドとなっています。i5よりもさらにマルチスレッド処理に優れているので、アプリケーション側で対応していれば優れたパフォーマンスを発揮することが可能です。
省電力タイプ
- 7700T 4コア 8スレッド クロック数2.9GHz~3.8GHz
ノーマルタイプ
- 7700 4コア 8スレッド クロック数3.6GHz~4.2GHz
オーバークロックタイプ
- 7700K 4コア 8スレッド クロック数4.2GHz~4.5GHz
Intel Core i9 (Skylake-X)
最上位モデルでは18コア36スレッドというバケモノスペックになっています。i7と比べてもi9はとんでもない性能を秘めていそうではありますが、まだまだその性能をフルに発揮できる状況が多くないのが現実です。
他の追随を許さないスペック、価格も最上位モデルで1999ドルと、性能・価格ともに史上最強でしょう。
- 7900X 10コア 20スレッド クロック数3.3GHz~4.5GHz
- 7920X 12コア 24スレッド クロック数2.9GHz~4.5GHz
- 7940X 14コア 28スレッド クロック数 最大4.5GHz
- 7960X 16コア 32スレッド クロック数 3GHz~4.5GHz
- 7980XE 18コア 36スレッド クロック数 2.7GHz~4.5GHz
i3は2コア、i5とi7は4コア、i9に至っては10コアから18コアのものまであります。一番需要の高いi3とi5がラインナップ数も多く取り揃えられています。i7はハイパフォーマンスを求める用途向け、i9は少し特殊用途向けとなっています。
CPUには、なるべく消費電力を抑えた省電力モデルと、CPUに定格よりも高い電圧を加えさらなる性能を引き出すオーバークロックモデルがあります。オーバークロックはCPU自体を壊してしまう危険性もありますので、くれぐれも注意してください。
一般用途としてはi7以降はオーバースペックになりがち
コアが多いほど、スレッドが多いほど仕事をこなせるといいました。しかしこれはいくら良いCPUを積んでいても、ソフトウェアが対応していなければ意味がありません。最近のゲームでもマルチコア・マルチスレッド処理に対応しているものも多くありますが、すべてではありません。
また3Dゲームのような高度なグラフィック処理をするものは、CPUを上位の物にするよりも、グラフィックカードをアップグレードしたほうが良い場合がほとんどです。
i5からi7へのアップグレードは1万円前後のお金がかかります。その1万円を他のグラフィックカードや、メモリに投資したほうが快適な環境を得られることもあります。
パソコンは一つのパーツの性能を突出させるよりも、いろいろなパーツを平均的に底上げしてあげるほうが良いのです。一つを突出させても他で足を引っ張ってしまい、結局一番低いラインでの性能しか出せなくなるでしょう。予算と性能のバランスが大切です。