Nvidiaの新世代GPU「RTXシリーズ」が発売となり、GPU市場がにわかに活気づいています。このRTXシリーズには、一般販売用のモデルとは異なる仕様の「Founders edition」があることをご存じでしょうか。
今回はFounders editionの概要と、その仕様、一般販売モデルとの違いについて解説します。
そもそもFounders editionとは?
Founders editionとは、簡単に言えば「リファレンスモデル」のこと。つまり、何も手が加えられていない「純製品」ですね。実際にGPUが販売されるときは、各メーカーがオリジナルファンの搭載や基盤の改良を行います。こういった改良のもとになるのがリファレンスモデルです。
ちなみにFounders editionの「Founders」とは、日本語で「鋳造者、鋳物師」を表す言葉で、いわゆる製造メーカーを指しています。このことからも、業者向けに提供される特殊なモデルであることが想像できると思います。
ただし、特殊とはいってもスペック自体は至って平凡です。各メーカーが改良を加える前の「素」の状態ですから、当然といえば当然でしょう。そのため、性能自体はメーカーが手を加えた一般販売モデルのほうが優秀、といえます。
RTXシリーズのFounders editionとは?
ただし、RTXシリーズに限って言えば、やや事情が異なります。RTX2000シリーズは、Founders editionのクロック数が軒並み高く、一般販売用途は差別化されているのです。
GeForce RTX 2080 Ti
通常版 | ブーストクロック:1545MHz |
Founders edition | 1635MHz |
GeForce RTX 2080
通常版 | ブーストクロック:1710MHz |
Founders edition | 1800MHz |
GeForce RTX 2070
通常版 | ブーストクロック:1620MHz |
Founders edition | 1710MHz |
このようにFounders editionは、ブースクトクロックが通常版よりも90MHzほど高く設定されており、そのせいもあってか価格も高めです。日本でFounders editionが入手できるかは未定ですが、機会があれば一度は手にしてみたいですね。
無理にFounders editionを買う必要はない?
性能がやや高めとはいえ、Founders editionは入手しづらいもの。これまでの例からいえば、GPUが登場してからしばらく経ち、中古として出回ることが多いですね。
どうやらAmazonではすでに出回っているようですが、特別こだわりが無ければ、大手メーカーのモデルを購入したほうが良いでしょう。価格が安いうえにファンが改良されており、リファレンスに比べるとお得になっています。
ちなみにRTX2080のFounders editionはツインファンですが、MSIやZOTAC、GIGABYTEのモデルはトリプルファンを採用。これだけでも差が出ていますね。各社独自のOCを施していることもあるので、無理せず一般モデルを購入したほうが良さそうです。