ゲーミングPCは電気代も高くつく、という話を頻繁に耳にします。電気代は毎日積みあがっていくもので、年単位でみると無視できない金額になりますよね。それだけに、パーツの金額よりも電気代を気にする方が多いようです。しかし、果たして本当に電気代が高くなるのでしょうか。
ゲーミングPCの電気代が高いといわれる理由
個人的には、「ゲーミングPCの電気代が高い」といわれる理由は大きく2つがあると思います。
1.ゲーミングPCへの買い替えで使用時間が長くなる
当然のことですが、ゲーミングPCを購入することで、多少なりともゲームをプレイする時間が長くなります。そのため、純粋にPCを稼働させる時間(負荷をかける時間)が長くなり、その分だけ電気代が高くなるわけです。
これはゲーミングPCそのものよりも、「ゲームを楽しんでいること」が原因といえるでしょう。そういう意味では、「PS4を買ったら電気代が高くなった」という理屈と大差はありません。
2.GPUのスペックがあがり、消費電力が大きくなる
一般的なPCとゲーミングPCの最も大きな違いは、「GPUの性能」です。GPUは視覚的な表現や描画を担当するパーツであり、ゲーム用途では最も負荷が大きくなる部分です。
それだけに消費電力も大きく、GPU(グラフィックボード)単体で消費電力が150Wを超えることも珍しくありません。
単純にGPUを追加して消費電力が100W上がるとしましょう。これは、1KWhあたりの電気代を24円として計算すると、1時間当たり2.4円の電気代です。毎日4時間ほど高負荷状態でプレイしたとして、2.4円×4=9.6円。1か月で288円、1年では3456円です。
実際にどれだけの電気代がかかる?RTX2070で試算
ちなみに2018年10月に発売されたばかりのRTX2070を搭載したゲーミングPCでは、アイドル時の消費電力が40W程度、高付加時の消費電力が250W~350W程度といわれています。
スペックによって多少上下しますが、この数字を平均として電気代を計算してみましょう。
1日4時間のプレイで高負荷をかけたときの電気代
1日あたりで考えると…
24円(1KWhあたりの電気代平均)×0.25×4時間=24円
24円(1KWhあたりの電気代平均)×0.35×4時間=33.6円
1か月あたりで考えると…
24円×30=720円
33.6円×30=1008円
1年単位で考えると…
720円×12=8640円
1008円×12=12096円
このように1日あたりでは「24円~33円」、1か月では「720円~1008円」、1年では「8640円~12096円」が電気代としてかかる計算になります。
思ったよりも高くないゲーミングPCの電気代
平日は2時間~3時間、休日は6時間といったプレイなら、年間1万円前後の電気代と考えて良さそうですね。
私自身は「思ったよりも全然安い」と感じました。電気代に対する考え方は人それぞれですが、年間で1万円前後という結果ならば、それほど気にするレベルではないのかもしれません。
もっとも、今回の計算は1日4時間のプレイが前提ですから、8時間や10時間となれば話は変わってくるのですが…
ちなみに2015年からの電力自由化で、好きな電力会社と契約できるようになりました。これにより、消費電力あたりの単価を下げられるようになっています。ハイエンドゲーミングPCでの長時間プレイが確実なら、パーツよりも電力会社を見直したほうがお得かもしれません。