今やすっかり当たり前の機能になったIntel社の「ハイパースレッティング」。物理コア×2のスレッドで並行処理が行えるため、マルチタスクの処理能力が上がる機能です。
しかし、気になるのはゲーム用途での性能。今回はゲーム用途におけるハイパースレッティングの効能を紹介します。
ゲームは「スレッド数」よりも「シングルスレッド性能」?
ゲーム用途では、よく「スレッド数(コア数)」よりも「シングルスレッド性能」が重要だと言われます。たしかにこれは間違いではありません。マルチコア/マルチスレッドに対応していないタイトルであれば、スレッド数(コア数)は4もあれば十分。
それ以上は体感できるほどの効果が見込めない…というのは事実でしょう。実際私も、MMORPGにおいて4コア4スレッドから4コア8スレッドにCPUを変更したことがありますが、体感できる効果はありませんでした。
もちろん、ゲーム以外のアプリでは、起動時間が短くなったり、動作が軽くなったりという効果がありました。しかし、ゲーム用途に限っていえば、GPU交換の恩恵のほうが遥かに大きいのです。
そのため、「ハイパースレッディング自体、不要なのでは?」と感じたこともあります。では、実際にハイパースレッディングをon/offすると、ゲームのパフォーマンスは変わるのでしょうか。
ゲーム用途でもハイパースレッディングは効果あり!
結論から言うと、ゲーム用途でもハイパースレッディングは、しっかり効果が出ています。体感できるかどうかはケースバイケースですが、ベンチマークでは「on」と「off」で明らかな差があるのです。
自宅にある3台のPCで、それぞれスコアを取ってみると、以下のような傾向が確認できました。
3DMarkでのベンチマークスコア | ハイパースレッディングon時はoff時より40%ほどスコアが高い |
ドラゴンクエスト10ベンチマークソフト | ハイパースレッディングon時はoff時より30%ほどスコアが高い |
FF14紅蓮のリベレーターベンチマーク | ハイパースレッディングon時はoff時より15~20%ほどスコアが高い |
ネット上の一部では、「ハイパースレッディングを無効にするとゲーム時のパフォーマンスが上がる」という情報があります。
しかし、これは鵜呑みにしないほうが良いでしょう。確かに、一昔前のCPUであれば、物理コア1つあたりの処理能力が低い場合、ハイパースレッディングをoffにしたほうが処理力が上がる、というケースもあったようです。
でも最近のCPUは十分な処理能力を持っているうえに、マルチコア/マルチスレッドに対応するアプリも増えています。
この状態で無理にハイパースレッディングをoffにすると、フリーズや予期せぬ不具合、パフォーマンスの低下などが起こるかもしれません。
ゲーム用途でのコア数/スレッド数の目安は?
2019年時点では、「多ければ多いほど良い」と言える傾向が強まっていますが、「4コア8スレッド~6コア12スレッド」程度が最もパフォーマンスを発揮しやすいのかなと感じます。
もちろんタイトルによるのですが、「2コア4スレッドで十分」という状況は、既に終わっていると考えて良いでしょう。したがって、ハイパースレッディング(AMDならハイパー・トランスポート)は、ゲーム用途でも有効と考えて、CPUを選んでみてください。