外資系のPCパーツメーカーが主流になる中、いくつかの国産メーカーがマニアから高い評価を受けています。
国産ならではのきめ細かさ、丁寧な作り、カスタマイズ性などが評価されているからです。今回はその中から、知る人ぞ知るPCケースメーカー「汐見板金」を紹介します。
アルミ製の使いやすいPCケースを求めている方なら、知っておいて損はないですよ。
純国産ケースメーカー「汐見板金」とは?
汐見板金は、1971年の創業で、主に電子系板金加工を専門としている工場です。創業から48年が経過しており、もはや立派な老舗業者ですね。もともとはPC関連パーツを主力としておらず、サーバーラックや棚、扉、パネルなどを製造していたようです。
また、特注品の中には大規模な情報センターシステム向けの操作卓、モニター棚などもあります。コンパクトな企業ですが、技術力や実績は確かなようです。PCケースの品質は、金属加工技術がモノを言うだけに、こういった老舗業者が独自販売するモデルには期待できます。
では、実際にどのようなPCケースを販売しているかを見ていきましょう。
「汐見板金」のPCケース
高級フルタワーモデル「ZX1 Ver1.0」
価格はなんと195000円で、PCケースの中では異質な価格設定です。ただし、シャーシ部分が1.5m、パネル部分が1.2mmのフルアルミニウム合金製ということで、アルミ製特有の「ペラペラ感」は皆無と言っていいでしょう。
また、オプション指定の自由度も注目です。「天板&左右側板 開口部分の有無」「付属ファン」「背面パネル」「電源取り付けパネル」「サイド増設パネル」などを全て指定可能です。
水冷ラジエーターも丸ごと格納でき、電源も2基搭載できます。まさにスーパーハイエンドPCの構築に適したPCといえるでしょう。ここまでくると、少し前のサーバー用ケースに見えます。
さらに、スライド式マザーボードベースの採用で、GPUや拡張カードを取り外さずにメンテナンスが行える点も評価できますね。
http://www.shop-siomi.com/shopdetail/000000000036/001/X/page1/recommend/
ミドルレンジ・ミドルタワーケース「AX2 Ver1.1」
使い勝手を重視した高品質なミドルタワーケースで、価格は49500円。こちらも昨今のPCケースの中では、高級な部類です。見た目は素朴な長方形なのですが、内部は最新のPCケース同様のユーティリティツールが詰め込まれています。
ハンドスクリューやワンタッチ金具を採用したツールレス仕様、水冷ラジエーター格納スペース、ゲーミングマザー対応と、痒い所に手が届く仕様です。
主素材として国産「A5052材」を使用し、ネジ穴補強用のステンレス部分にも刃物にも使わる「国産304ステンレス材」を採用して高強度を実現しています。その他、スチール部分、アクリル部分にも国産素材を使っており、海外製品との徹底的な差別化を推進しているようです。
http://www.shop-siomi.com/shopdetail/000000000043/001/X/page1/recommend/
外見の好みもあるが…さすがの品質
正直、どちらも品質の面では全く問題ないでしょう。おそらく海外製品を交えてもトップクラスに位置すると思います。もちろん、使いやすさの点でもです。
ただし、「見た目」は少し古いですね。最近のゲーミングPC用ケースにあるような、デザイン性や遊び心はありません。この点がプラスになるかマイナスになるかで、評価が別れそうです。
個人的には、こういった「素朴、武骨、高品質」の3拍子は大好物なので、私なら買いです。最終的にPCケースは品質ですから。海外製PCケースの「見かけだおし」に飽きた方は、ぜひ汐見板金に注目してみてください。