2018年11月、RTX2000シリーズの実質的な移行先として注目される「RTX2070」が発売となりました。先行発表されているRTX2080やRTX2080Tiの下位モデルではあるものの、新技術や優れた処理性能を持つことには変わりありません。
また、現実的に入手しやすい価格設定のためか、アップグレード候補として考えている方も多いようです。そこで、新モデル発売で値下がりが生じているGTX1080と比較し、どちらを選択すべきなのかを考えてみました。
RTX2070とGTX1080のスペック比較
RTX2070とGTX1080の最も大きな違いは「GPUコア」が異なることです。RTX2070は「TU106」、GTXは「GP104」を採用しており、製造プロセスもアーキテクチャも異なります。
RTX2070のスペック
GPUアーキテクチャ | Turing |
GPUコア | TU106 |
製造プロセス | 12nm FFN |
CUDAコア数 | 2304基 |
RTコア数 | 36基 |
Tensorコア数 | 288基 |
クロック数 | 1410MHz~1620MHz |
メモリタイプ | GDDR6 |
メモリ容量 | 8GB |
TDP | 175W |
GTX1080のスペック
GPUアーキテクチャ | Pascal |
GPUコア | GP104 |
製造プロセス | 16nm |
CUDAコア数 | 2560基 |
RTコア数 | なし |
Tensorコア数 | なし |
クロック数 | 1607MHz~1733MHz |
メモリタイプ | GDDR5X |
メモリ容量 | 8GB |
TDP | 180W |
このように両者ともTDPが180W付近かつメモリ容量が8GBと、スペック的には似ている部分もあります。ただし、RTXシリーズの新技術であるレイトレーシングを支える「RTコア」、AI向け処理を担当する「Tensorコア」の有無は、世代差を感じさせますね。
クロック数はGTX1080のほうが高いものの、これは単純に比較できません。クロック数の比較は同世代かつ同じアーキテクチャ間でのみ意味があるからです。
RTX2070とGTX1080の価格比較(2018年11月時点)
次に価格を見ていきましょう。2018年11月時点の情報です。
・RTX2070…税込み7万円~75000円程度
・GTX1080…税込み6万円~75000円程度
GTX1080は徐々に値下がりが始まっており、一部では6万円を切る特売品なども出現。今後は中古市場に出回る数が増え、さらに入手しやすい価格になるでしょう。
一方、RTX2070は、玄人志向の「GF-RTX2070-E8GB/DF」など新製品ながら7万円を切るモデルが登場しています。完全なハイエンドモデルではなく「ミドルハイ」に位置付けられるだけに、価格も抑えめですね。
ちなみに両者の性能を比較すると、平均して7%~40%ほどRTX2070のほうが上となります。これはゲームタイトルによるものの、少なくともPCゲームならば、確実にGTX1080を上回る性能を発揮するでしょう。GTX1080とGTX1080Tiの中間的な位置づけです。
安さか将来性か
性能と将来性重視ならばRTX2070、安さ重視ならばGTX1080という結果になりそうです。GTX1080もまだまだ現役として活躍できるものの、今後さらに値下がりが予想されるため、今すぐ「買い」とは言い難いでしょう。
また、RTX2070も価格改定によって値下がりする可能性があります。2019年を見据えるなら、個人的にはRTX2070を狙いたいですね。