できるだけ安く高性能なゲーミングPCを手に入れるには「自作PC」が最も効果的です。しかし、単に合計金額が安いだけであり、安易に自作PCに手を染めるのはおすすめしません。
自作PCには大小さまざまなリスクがあり、これをクリアできる者だけが価格のメリットを受けられるからです。そこで、ゲーミグPC初心者が自作PCに挑むときのリスクについて整理したいと思います。
組立時のリスク
PCの組み立て自体が初めて、という方も少なくありません。そもそもPC内部をしっかり見たことがありますか?
ゲーミングPCに限らないのですが、PC自体のパーツはそれほど多くありません。しかし、コネクタへのケーブル接続、パーツやファンの取り付けなど、実に細かな作業が発生します。
フロントパネルのコネクタ接続
アクセスランプ、電源LEDには、プラスとマイナスがある上に、マザーボードの印字が読みにくい。また、製品によってケーブルの色などが異なる。
CPUクーラーのバックプレート取り付け
マザーボードをケースから取り外し、前後から金属の板(プレート)を取り付けなくてはならないため、慣れが必要。4つネジ穴を均等に締め付けていく。マザーボードを傷つけないように気を付ける必要あり。
メモリの差し込み
力加減の慣れが必要。接触不良の場合、故障の原因になるリスクあり。
CPUとGPUの設置
こちらも力加減に慣れが必要。特にCPUの設置は、少しのミスが故障に繋がるため、慎重に行う必要あり。
背面へのI/Oパネル取り付け
パネルの大きさがケースの穴と一致せず、取り付けにくいことがある。
ざっと挙げてみても、こういった細かい作業が発生します。いずれも、作業スペースが狭い上に、微妙な力加減が必要です。
自作PCは「異なるメーカーのパーツを組み上げて、一つの機械にする」作業です。全て同一のメーカーであれば問題は起こりにくいのですが、現実にはそうもいきません。
>> 耐久性?TDP?ゲーミングPCでパーツごとに重視したい項目まとめ
故障・不具合発生時のリスク
自作PCの最も大きなリスクは「故障・不具合の発生時」といえるでしょう。もちろん、新品であれば、パーツそれぞれに保証期間が設けられています。また、メモリなどには相性保証が付属していることから、万が一相性問題が発生しても、特に問題ありません。
しかし「ブルースクリーンが発生したものの、故障個所が特定できない」「フリーズするが、発生するタイミングがランダム」といった事象に対応できるでしょうか?
こういったよくわからないが、なぜか調子が悪い…といった事象に対応するコストは計り知れません。例えば「KP41病」と聞いて、どのような事象があるかパっと思いつきますか?
自作PCでは、組みあがった本体そのものに対する保証はありません。不具合箇所の特定から始め、注文・交換・検証を行わなくてはならないのです。
初心者なら現状はBTOパソコン一択
昔なら、自作PCのほうが圧倒的に安く組み上げられたため、リスクをおかしてでも自作するメリットはありました。しかし、現状ではBTOパソコンの価格が下がり、自作に比べて1割~2割程度の価格差に留まっています。
身近に自作PCの知識・経験を持っている人間がいない限りは、初心者が自作PCを安易に選択すべきではないかもしれません。
最近はyoutubeなどでも自作の手順を解説した動画が増えていますよね。昔にくらべると自作の知識自体は入手しやすくなっているので、じっくりと知識を付けたのちに挑戦すべきかと思います。