ゲームで大切なものといえば「画質」「動きの滑らかさ」、そして「サウンド」ではないでしょうか。画質と動きの滑らかさについては、非常にこだわりを持つユーザーが多いと思います。
しかし、意外にも「サウンド(音質)」を重視する人が少ないという印象です。ゲームプレイ時の音質は、「聞こえれば良いレベル」と「高音質」で、モチベーションや盛り上がり方が変わってくるのをご存じでしょうか?
今回は、ゲームプレイ時の音質を左右する「マザーボードのサウンド機能」について解説します。
一般的なマザーボードのサウンド機能とは?
ここ数年でマザーボードのオンボードサウンド機能が一気に進化したため、サウンドカードを搭載するユーザーが減りました。
そのせいで、マザーボードのサウンド機能をあまり重視していない方もいると思います。そこで、まず一般的なオンボードサウンド機能を解説します。
まず、2019年時点で、マザーボードのオンボードサウンド機能として一般的な「Realtek Semiconducor」のグレードを見ていきましょう。
2万円以上のハイエンドマザーボード
Realtek Semiconducor ALC1220
Realtek Semiconducor ALC1150
1万円代のミドルレンジマザーボード
Realtek Semiconducor ALC892
1万円未満のローエンドマザーボード
Realtek Semiconducor ALC662
実際には、もっと細かいグレード分けがあるのですが、主に使われているのはこのあたりだと思います。コスパが良いのは、やはりミドルレンジの「ALC892」でしょうか。サンプリングレートがハイエンドモデルと同じ192kHzで、オーディオチャンネルも7.1+2。
ハイエンドクラス(ALC1220)に比べると、若干「厚み」が無い音に聞こえるかもしれませんが、それでも十分な音質といえます。
ハイエンドマザーボードのサウンド機能
ハイエンドクラスのマザーボードでは、Realtek Semiconducor以外にもサウンド回路を積んでいる場合があります。
例えば、「MEG Z390 GODLIKE」ですね。価格は7万円前後と、マザーボードの中では最高額の部類です。このMEG Z390 GODLIKEには、Realtek Semiconducor ALC1220の他に「ESS Technoligy ES9018K2M」というDACが搭載されています。いわゆる「ハイレゾ音源(24bit/96kHz)対応のDAC」ですね。
このクラスになると、明らかに音の情報量が変わり、細かな環境音が聞こえたり、高音から低温までバランスよく音が広がったりと、「違い」が体感できるようになるでしょう。
そもそも「ESS Technoligy ES9018K2M」が、ハイエンドオーディオ用の回路ですから、当然と言えば当然なのですが…。一口に「オンボードサウンド」と言っても、積まれている回路のグレードでここまで違うという、良い例だと思います。
USB DACとどの程度違うのか?
では最後に、ハイエンドマザーボードのサウンドが、USB DACとどれだけ違うか?ついて感想を述べたいと思います。機種ごとの違いを加味しない一般論ですが、1万円クラスのUSB DACであれば「それほど差が無い」レベルだと思います。
ただし、コストパフォーマンス的には、「ミドルレンジマザーボード+1万円のUSB DAC」のほうが上かもしれませんね。
接続と設置の手間を省いたぶんだけ、マザーボードのほうが割高という感覚です。そもそもPC内部はノイズの嵐ですから、ノイズを除去しつつ高音質を実現するだけでもかなり大変なのです。
もし予算に余裕があるのなら、Realtek Semiconducor以外の専用DACを積んでいるマザーボードを試してみてください。