ゲーミングPCのパフォーマンスを決めるのは「CPU」と「GPU」だけではありません。ときにはストレージを入れ替えることで、起動速度やロード時間が大幅に短くなります。
では、最新のNVMe SSDを使ったとき、一体どの程度の差が生じるのでしょうか。NVMe SSDに換装したときのパフォーマンスを解説します。
ボトルネックになりがちなストレージ
いくらCPUやGPUをアップグレードしても、ストレージがHDDのままだと「ボトルネック」が発生します。ボトルネックとは、いわゆる「足を引っ張っているポイント」のことです。
PCはパーツ同士が連動して動くため、ひとつでもデータ転送、処理、読み書きなどが遅い箇所があると、ボトルネックとなりパフォーマンスが落ちてしまいます。
特にHDDは、最近のCPUやGPUの処理についていけないことが多くなっています。これは、「ゲーム起動時間」や「マップ移動のロード時間」などに影響します。つまり、なかなか起動(移動)せずにイライラしてしまうというわけです。
HDDからNVMe SSDでどの程度速くなるのか?
こういったHDDのボトルネック化を防ぐため、「NVMe SSD」への換装を検討してみましょう。HDDからNVMe SSDへの換装で、劇的にストレスが軽減される例が確認されています。
具体的には、以下のとおりです。
PC版バトルフィールド Vで「3.5インチHDD(5400rpm)」から「Crucial P1 SSD※」へ換装
・起動時ロード時間は「51.7秒から36.5秒へ」⇒約30%減
・プレイ再生時ロード時間は「29.9秒から20.5秒へ」⇒約32%減
フォールアウト76で「6Gbps SATA採用HDD(7200rpm)」から「WD Black NVMe SSD※」へ換装
・起動時間は「20.9秒から18.5秒へ」⇒約12%減
・プレイ再生時ロード時間は「70.9秒から63.8秒へ」⇒約11%減
2番目の例にあるHDDは、現行のHDDの中ではハイエンドモデルに位置し、通常のSSD並みの動作ですが、やはり最新NVMe SSDには敵わないようですね。
>> NVMeはなぜ速いのか?今さら聞けないM.2 SSDの基礎知識
ちなみに、今回紹介したNVMe SSDのスペックも紹介しておきます。
Crucial P1 SSD(1TBモデル)
- シーケンシャルリード最大2,000 MB/秒
- シーケンシャルライト最大1,700 MB/秒
- ランダムリード最大17万IOPS
WD Black NVMe SSD(1TBモデル)
- シーケンシャルリード最大3,400 MB/秒
- シーケンシャルライト最大2,800 MB/秒
- ランダムリード最大50万IOPS
※IOPS⇒ストレージが1秒当たりに処理できるI/Oアクセスの数で、この数値が高いほど高性能なストレージといえる。
高速ストレージは高速回線も必須
このように高速なNVMe SSDへの換装は、ゲームプレイ時の快適さをしっかりと「体感」できるほどの効果をもたらします。
ただし、回線速度には注意しておきましょう。回線速度が遅いと、その点がボトルネックになりNVMe SSDの性能を発揮できません。
CPUやGPUのアップグレードにあわせ、ストレージと回線の高速化も検討していきましょう。ネット回線については「CATV契約はPCゲーマーの大敵?PCゲーマーは回線品質にこだわるべき」をご覧ください。