RTXシリーズの登場で一気に知名度があがった「リアルタイム・レイトレーシング(通称レイトレ)」。この全く新しい技術は、「RTコア」を搭載するRTXシリーズでのみ利用可能とされてきました。
しかしnvidiaは、RTコア非搭載のGTXシリーズでもレイトレを可能するようです。新旧GTXシリーズを使っている方は、必見の情報でしょう。
「GTXシリーズでもレイトレ可能」なドライバを配布!
これまでレイトレは、物理的な専用コア(RTコア)を搭載したRTXシリーズだけの新機能といわれてきました。そのため、旧GTXシリーズや、2019年に新登場した新GTXシリーズ(GTX1660Tiなど)では、レイトレによるリアルな描画表現は望めないというのが定説でした。
しかし、nvidiaはGTX1060以上を対象に、「RTコア非搭載のGTXでもレイトレを使えるドライバ」を配布するようです。
詳細は以下のとおり。PascalおよびTuring、Volta世代が対象となっています。
Pascal世代 | GTX1060(6GB版)以上 |
Turing | GTX1660以上 |
Volta | TITAN V |
注目すべき点は、「Pascal世代のGPU」でも利用可能になる点でしょう。GTX1070やGTX1080でも、レイトレが可能になります。ドライバで新世代GPUの機能を追加するのは非常に珍しく、これはかなりお得なアップデートになりそうです。
RTコア搭載のレイトレとは異なる点も
ただし、物理的なRTコアを搭載されたRTXシリーズのレイトレとは、多少パフォーマンスが変わるようです。実際の処理では、RTXシリーズに一歩劣り、当社できるレイ(視線、描画線)の数がすくない上に、複雑な処理は表現しきれないとのこと。
極めて基本的なレイトレ用のエフェクトのみに対応するという方針ですね。もう少し詳しく解説すると、今回のドライバ適用によるレイトレは「DXR」を使った機能です。
DXRはDirectX 12に含まれるのリアルタイムレイトレーシング機能で、ドライバさえあればGPUを問わずに利用できます。つまりDirectX 12の機能の一部を、ドライバによって利用可能にした、というのが本当の姿といえるでしょう。
GTX1660世代がますますお買い得に
これまでレイトレ不要派の大本命とみられていたミドル~ハイGPU「GTX1660Ti」が、このドライバの登場でますますお買い得になりました。性能的にはGTX1070以上を期待でき、なおかつ価格もおさえられ、簡易的なレイトレまで使えるからです。
今からGTX1050TiやGTX1060(3GB版)からアップグレードなら、私は迷わずGTX1660Tiを候補にあげますね。簡易的とはいえレイトレを利用できる上に、GTX1070に匹敵する基礎性能。そして実売価格38000円程度というコスパの良さがその理由です。