PCを使うときに一番長く使っているであろうキーボード。私はマウスやタッチパッドをほとんど使わないので、キーボードにはこだわりがあります。そんな私と一緒に、キーボードを探すときに見るべき点をおさらいしましょう。
キーボードのキー配列の選び方
まずは入力の快適性を左右する、キー配列についてです。
物理配列と論理配列
キーボード配列の規格には、物理的にどうやってキーを並べるかという物理配列とそれぞれのキーにどんな役割を割り当てるかという論理配列があります。しかし、今回は簡便のため区別せず、主に物理配列に関して見ていくこととします。
一般的な日本語配列、106
おそらく、日本にいる方が一番よく目にするのは日本語配列のキーボードでしょう。「半角/全角」や「変換/無変換」キー、大きなエンターキーが特徴で、キーの数がたくさんあります。
一般的に流通しているキーボードの多くはこの日本語配列しかありません。この配列を選ぶメリットは、他の場所で使うキーボードと同じなので慣れやすいということでしょうか。ソフトウェアで使わないキーを別のキーに割り当てている私のような人にとってはキーが多いこともメリットです。
一般的な英語配列、101
世界のスタンダードであり、US配列とも呼ばれます。元々はタイプライターで使われていた配列です。日本語配列との違いは、エンターキーが横長であることや「全角/半角」キーなどの日本語用キーがないことです。
「えっ、それじゃあ日本語打てないの?」と思われるかもしれませんが、大丈夫です。コントロールキーとスペースの同時押しなど、OSのやソフトによって違いはあるものの何らかの方法で切り替えることが出来ますので、使えます。
メリットはキーが少なくすっきりしていることや、それに伴って特殊キーが日本語配列よりも大きめなのでブラインドタッチしやすいことが挙げられます。記号をたくさん使うプログラマのような人にとっては、英語配列のほうが小指が攣りにくいです。
テンキーやコントロールキー、独自キーなど
上で挙げた配列を基に、キーボードによっては独自のキー配列になっていることがあります。特に省スペース化や特殊キーの追加などでちょっとした違いが生まれます。
テンキーの有無やコントロールとファンクションキーの位置などは結構重要です。こだわる方はこだわりましょう。
多くの人は日本語配列でテンキー無しのキーボードがコンパクトでよいでしょう。しかし、かっこいい感じを出したかったり、指が大きい人は英語配列を検討してみるのもありです。
なれるまでは多少ゆっくりになりますが、なれてしまえばどんなキーボードでも打てるようになります。また、ソフトウェアで論理配列をいじってカスタマイズすることも可能ですので、試してみてください。
キーボードのスイッチ、軸の選び方
キーボードの特性を決める重要な部分、スイッチと軸についてです。
メンブレン
一般によく見るキーボードの大半はこれでしょう。キーの下にラバーゴムと配線をプリントしたシートが敷いてあり、ラバーの反発力でキーを支えます。そしてキーが押されると接点に電流が流れるという方式です。コストが比較的かからず打鍵感もそこそこなので安いキーボードに多いです。
欠点としては次に紹介するパンタグラフよりキーが分厚くなりがちで、ラバー独特の打鍵感が疲れやすいという人も多いという点です。
パンタグラフ
名前の通り、キーの下にX字に交差したパンタグラフのような部品とバネやラバーが入っているものです。接点が触れ合うことでキー押下を検知するという点ではメンブレンの一種なのですが、一般にラバーを使った方式とは区別されて呼ばれます。
キーストロークが短く省スペースなのでノートPCなどに使われており、MacBook Proのキーボードのように非常に打鍵感がよいものもあります。構造上、キーは薄く出来ますがその分すぐ底に着くので嫌いな人もいます。
メカニカル
メカニカルキーボードはキーごとに独立したモジュールになっていて、そのキーごとに交換できるようになっています。価格は比較的高いものの、独特の打鍵感やカチッという打鍵音に特徴があり、ゲーミングキーボードによく使われています。
メカニカルキーボードにはいくつか種類がありますが、ここでは代表的なものを紹介します。
赤軸
キータッチやスイッチ感が軽めで音も静かなので、サササッと打つことが出来ます。軽い打鍵感が好きな方におすすめです。
青軸
赤軸とは対照的に、キータッチやスイッチ感がしっかりしており、カチャカチャという打鍵音も人気です。ただ、かなりうるさく感じる人もいらっしゃいますので、使う場所は選ぶでしょう。
茶軸
赤軸と青軸の中間に位置する軸です。赤軸や青軸ほど突出はしていませんが、メカニカル独特の感じでかつバランスがいい軸となります。
静電容量無接点方式
静電気によって押下を検知する方式で、価格は高めになる傾向があります。物理的な接点がないため静かで高耐久性を誇り、スイッチも自由に設計できるので打鍵感は製品によって様々です。高級キーボードと呼ばれる、一万円以上のキーボードに使われることが多いです。
キーボードのスイッチ・軸は非常に重要で、ノートPCや付属のキーボードしか使ったことがない人でも他のキーボードを試してみる価値はあります。
キーボードのインターフェイスの選び方
最後にPCとキーボードをつなげる、インターフェースについてです。
価格が安いUSB
今使われているキーボードのほとんどがUSB接続でしょう。特にキーボードはそれほど速度や転送容量が必要ではないので、USB2.0の製品が多いです。安く手に入るものから、HHKB(ハッピーハッキングキーボード)という有名な高級品までみんなUSBモデルがあります。
欠点は、USBポートを1つ塞いでしまうことと、優先なので取り回しがあまり効かないということ。デスクトップ用なら据え置きで使うことが多いでしょうしUSBポートもたくさんありますので、安いUSBキーボードが最適でしょう。
また、取り回しが効くように無線化したものもあります。USBポートは1つ埋まりますが、無線なので膝の上など好きなところで使えます。
みんな大好きBluetooth
無線の場合、USBでもいいですが、やはり便利なのはBluetoothです。PCだけでなく、スマホやタブレットでも同じキーボードが使えるのは大変便利です。
Bluetooh規格にはいくつかバージョンがありますが、キーボードの場合はそこまで気にする必要はありません。多くの機器に対応できるようにバージョンの数字が大きいものを買えばよいでしょう。
欠点は、最初のペアリングがめんどくさいことと、たまに接続が切れることがあること。とはいえ最近は安定している製品が多いので、お財布に余裕があれば買ってみると良いでしょう。
オールドレトロなPS/2
プレステじゃありませんよ。IBM PS/2で採用されて広まった接続規格です。今ではほとんどUSBにとって変わられ、PS/2接続のキーボードを見るのは中古ぐらいになりました。古いPCにはこれしかついていないことも多いので、そんな時はハードオフのジャンクコーナーでゲットしてきましょう。
今持っているPS/2のキーボードをUSBに変換する端子などもあります。新品もありますが、ハードオフの青箱に入ってることも多いです。また、ゲーム用のキーボードの中にはPS/2接続のものもあります。USBでは同時に7つ以上のキーの同時押しを送れないからです。
現在の状況でキーボードを買うならBluetooth接続のものがよいでしょう。もし価格を抑えたかったり、ほしいキーボードにそれしかないのであればUSBを買っても後悔はしないはずです。
ゲーム用以外でPS/2を新しく買うことはまずないとは思いますが、USBに変換する端子などがありますので、まだまだ現役で使うことは可能です。