チップセットとはマザーボードに取り付けられている、LSI(集積回路)のことを指します。マザーボードで一番重要なパーツがチップセットです。このチップセットについて解説していきたいと思います。
プロセッサーと周辺パーツとの橋渡し役、チップセットとは?
チップセットはマザーボードの心臓部です。マザーボードはCPUやメモリ、ストレージやPCI-Expressなどのデバイス間のデータのやりとりを制御しています。
パーツによってそれぞれデータのやりとりの決まりが違うため、昔は別々のチップに分かれていました。そのためそれらのチップの集合体をチップセットと呼んでいました。今は一つのチップに統合されていますが、名残でそのままチップセットと呼ばれます。
チップセットの種類による違い
マザーボードには必ずチップセットが搭載されています。チップセットはインテル製とAMD製に分かれます。インテル製CPU用とAMD製CPU製でチップセットが違います。CPUとチップセットを接続するためのインターフェースが違うため、互換性は一切ありません。インテルはDMI(Direct Media Interface)、AMDはUMI(Unified Media Interface)と呼ばれるインターフェースを使用しています。
チップセットの違いがサポートするデバイスの種類や、デバイスの数に影響します。チップセットによってサポートするCPUの種類が決まっています。サポートするメモリや、USBポートの数、PCI-Expressの最大レーン数といったマザーボードの基本的な性能だけでなく、仮想化に対応するためのバーチャリゼーションテクノロジーやラピッドストレージテクノロジーといった最新のテクノロジーへの対応の有無なども違っています。
現在主流のチップセット一覧
インテルとAMDの現在主流となっているチップセットを一部紹介しましょう。
インテル製チップセット
インテル第8世代 Coffee Lake用のチップセットです。現在はZ370チップセットしか選択肢はありません。
- Z370チップセット : オーバークロックに対応し最新のインテルOptaneメモリーテクノロジーにも対応
インテル第7世代 Kaby Lake用主力チップセットです。
- Z270チップセット : オーバークロックに対応したチップセットでパフォーマンスを求めるユーザー向け
- H270チップセット : メインストリーム向けのチップセットで、オーバークロックやSLIなどには対応しない
- B250チップセット : 最小構成向けで安価なシステムを構成するのに向いたチップセット
AMD製チップセット
AMD AM4プラットフォーム用チップセットはAMD Ryzenプロセッサー向けのチップセットです。オーバークロックや複数のグラフィックカードを搭載するためのCrossFire機能などを搭載するハイエンドチップセットから、必要最小限の構成を求めるシンプルなエントリーチップセットまであります。
- X370チップセット : オーバークロックやCrossFire機能などエンスージアスト向け機能を搭載したチップセット
- B350チップセット : オーバークロックをするパワーユーザー向けのパフォーマンスチップセット
- A320チップセット : ホームユースやエンターテイメント向けの機能を限定した一般的なチップセット
- A300チップセット : コンパクトな最小構成を求めるユーザー向けのシンプルなチップセット