グラボ2枚挿しとは、グラフィックボードを2枚をマザーボードに設置し、同時に稼働させてスペックを上げることです。
2枚挿し技術の名称はメーカーによって違います。NVIDIAの場合はSLI、AMDの場合はCrossFireXと言います。今回はNVIDIAのSLIについてお話したいと思います。
SLIの条件
SLIは、マザーボードに2枚グラフィックボードを挿してしまえば稼働するというものではありません。以下のような条件があります。
- GPUが同じ型番であること
- VRAMが同じ容量であること
- マザーボードがSLIに対応していること
- SLI対応のグラフィックボードであること
- ブリッジと呼ばれる、グラフィックボード同士をつなげるケーブルが必要
クロック値は違っていても大丈夫です。また、一般的に同じメーカーの同じものしかSLI出来ないと言われていますが、上記条件を満たしていればメーカーが違っても大丈夫という実例があります。
SLIのメリットとデメリット
メリット
- 今使っているグラボを再利用できる。
- 最高性能を追い求めることができる。
デメリット
- 大抵の新作ゲームは対応しているが、小さな会社のゲームなどは対応していないことが多い。
- 消費電力が大きい
- 細かい不具合が多い
例えば、最近流行りのPUBGはSLIで動作し、性能は上がることが確認できています。しかし、公式としては対応しているというコメントはありません。つまり、ある日突然、動作が不安定になる可能性があるということを示唆しているのです。
私の場合、次ような不具合がありました。
GuildWars2というMMORPGをプレイしていた時期があったのですが、非常にPCの性能が必要なゲームでした。SLIに公式で対応していると書いてあったので、SLIにしたところ、キャラクターのアイコンやHPバーが点滅するなどの不具合が発生しました。ゲームプレイには大きく影響しませんでしたが、このような細かいところでバグが起きやすいのがSLIの特徴と言えます。
SLIはマイノリティーな技術なので、細かいテストが甘いため、このように細かい不具合が起こりやすいと言われています。
新しいグラフィックボードorSLI
グラフィックボード2枚を使うことになるので、消費電力は2倍になります。しかし、性能は2倍になるわけではないんです。
一般的には、SLIにした場合、本来の約1.5倍とになると言われています。更に、VRAMも1枚あたり8GBであっても、2倍の16GBにならず8GB扱いとなってしまいます。
GTX1070 SLI vs GTX1080ti
GTX1070の消費電力は150Wですので、2枚の場合約300W使うことになります。VRAMは8GB、価格はは約5万円ですので、2枚で10万円です。
対して、GTX1080tiの場合、消費電力は約180WでVRAMは11GB。価格は約10万円です。
しかしながら、性能は僅差で GTX1070 SLIの性能に負ける程度です。
トータルで考えると、この場合はGTX1080tiのほうが勝っていると言えます。
まとめ
SLIは、SLI対応の古いグラフィックボードを復活させる目的、もしくは現状の最高性能をさらに伸ばしたいときに使うものと考えたほうが無難です。
古いグラフィックボードと同じものが安く買える場合は、試してみる価値はあると言えます。しかし、デメリットを考えると、大抵は最新のグラボを買った方が良いと考えられます。